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Vol.2 No.2
TM
氎玠貯蔵材料
Hydrogen Storage Materials
System Targets for
On-Board Vehicular
H2 Storage—U.S. DOE
Dehydrogenation of
Ammonia Borane
Metal Borohydrides
for H2 Storage
Mechanical Processing
in H2 Storage
Protective Nanocoatings
for Metal Hydrides
Organic Liquid
Storage of Hydrogen
Gas Sorption
Analysis Tool
Solid-State NMR of
Metal Hydrides
Hydrogen—the clean and safe
fuel of the future.
sigma-aldrich.com
2
はじめに
はじめに
10 幎以䞊にわたっお、䞖界䞭の技術先進囜は、石油や倩然ガスなど埓来の゚ネル
ギヌ源に代わる゚ネルギヌずしお、氎玠に研究開発の重点を眮いおきたした。氎玠
は、増加し続ける゚ネルギヌ需芁ぞの察応ず、地球芏暡の気候倉動の抑制に圹立぀
ず匷く信じられおいたす。実際、氎玠は化石燃料、再生可胜な゚ネルギヌ、氎など
のさたざたな゚ネルギヌ源から補造できたす぀たり、原子力、颚力、倪陜光゚ネ
ルギヌなどを䜿甚
。氎玠は無毒で、゚ネルギヌに倉換したずきの唯䞀の廃棄物は
氎しかないため、極めお環境にやさしい゚ネルギヌ担䜓です。
明らかな利点があるにもかかわらず、氎玠を盎ちに䞖界経枈に組み蟌もうずするず、
倚くの課題に盎面したす。石油や倩然ガスず異なり、氎玠には茞送をサポヌトする
倧芏暡なむンフラストラクチャヌがありたせん。氎玠は化孊業界や粟補業界で日垞
的に䜿甚されおいたすが、氎玠の貯蔵ず茞送のコストは倚くの゚ネルギヌ甚途に
ずっお高すぎるため、氎玠を䞻な゚ネルギヌ担䜓ずしお䜿甚しお゚ネルギヌを貯蔵・
茞送する氎玠経枈の導入が劚げられおいたす。
氎玠経枈むンフラストラクチャヌは、補造、茞送、貯蔵、倉換、および応甚ずいう
5 ぀の䞻芁芁玠で構成されたすが、これらは技術的な発展段階が異なりたす。
Vol. 2 No. 2
目 次
氎玠貯蔵材料
米囜゚ネルギヌ省の
車茉氎玠貯蔵に察するシステム目暙 _____ 3
アンモニアボランからの
氎玠攟出に関する最近の成果 ___________ 6
氎玠貯蔵材料ずしおの金属ホり化氎玠 __ 11
Storage
氎玠貯蔵の研究開発での機械的凊理 ____ 16
Conversion
Production
Applications
Delivery
氎玠の補造ず倉換はすでに技術的に実珟可胜ですが、茞送ず貯蔵は難しい課題に盎
面しおいたす。たずえば、氎玠は鋌を脆化させる可胜性があるため、既存の倩然ガ
ス茞送システムは、玔氎玠ガスの茞送には適さない堎合がありたす。したがっお、
倩然ガスずの混合、圧瞮ガスたたは極䜎枩液䜓茞送のほか、代わりの氎玠担䜓メ
タノヌル、゚タノヌル、その他の有機液䜓など、他の遞択肢が怜蚎されおいたす。
珟圚、垂堎にあるどの遞択肢も゚ンドナヌザヌのニヌズを満たしおいないため、氎
玠゚ネルギヌに関する研究開発ぞの関心ず投資が拡倧し぀぀ありたす。
アンモニアボラン、氎玠化物、アミド、耇合材料、有機金属構成組織、有機分子、
その他を䜿甚した氎玠貯蔵ぞの材料ベヌスのアプロヌチが、幅広く探究されおいた
す。Material Matters ™ の本号は、最先端の氎玠貯蔵技術をテヌマに取り䞊げたした。
米囜゚ネルギヌ省、パシフィックノヌスりェスト囜立研究所、GE グロヌバルリサヌ
チ、シグマアルドリッチ、ルむゞアナ工科倧孊、アセンブロン瀟、ハむ゚ナゞヌ瀟、
およびカリフォルニア工科倧孊の第䞀線の専門家が、氎玠貯蔵技術に぀いお目的ず
目暙、材料ず凊理から性胜評䟡や特性把握手法たで、重芁な偎面に぀いお論じたす。
たた、皆様が氎玠経枈を促進させるための研究甚に蚭蚈した、シグマ アルドリッチ
の補品も特集しおいたす。Material Matters ™ およびご興味をお持ちの材料に関する
ご意芋、ご質問、ご芁望に぀いおは matsci@sial.com たでお寄せください。
Viktor Balema, Ph.D.
Materials Science
Sigma-Aldrich Corporation
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
衚玙に぀いお
氎玠を安党で環境に優しい方法で貯蔵するこずは、氎玠経枈が存続する䞊での倧きな課題の解決
に貢献したす。氎玠経枈を実践する方法に関係なく、それを実珟するには乗り物
自動車、航空機、
たたは船舶に氎玠を貯蔵するこずが䞍可欠です。固䜓は、盞圓量の氎玠を貯蔵し、必芁に応じ
お攟出できる最も安党で効率的な媒䜓の 1 ぀です。本号の衚玙は、氎玠貯蔵甚固䜓材料ず、陞䞊、
海䞊、および宇宙空間で考えられる甚途の抂芁を瀺しおいたす。
衚玙の図の䞀郚は、「Hydrogen Storage」MRS Bulletin Vol. 27, No. 92002 から匕甚したした。
MRS Bulletin の蚱可を埗お耇補。
空気に反応しやすい金属氎玠化物に察する
保護コヌティングのナノアヌキテクチャヌ __ 19
HYDRNOL ™ の玹介
氎玠の有機液䜓貯蔵 __________________ 23
PCTPro-2000 ̶ ガス収着分析での
最終的なツヌル ______________________ 26
栞磁気共鳎による氎玠貯蔵材料の研究 __ 29
3
米囜゚ネルギヌ省の車茉氎玠貯蔵に察するシステム目暙
è¡š 1. 米囜゚ネルギヌ省氎玠貯蔵システム性胜目暙からの抜粋
貯蔵パラメヌタヌ
耐久性運甚性
• Operating ambient temperature
• Min/max delivery temperature
• Cycle life (1/4 tank to full)
• Min delivery pressure from tank;
FC=fuel cell, ICE=internal
combustion engine
Dr. Carole Read, Dr. George Thomas,
Ms. Grace Ordaz, and Dr. Sunita Satyapal*
U.S. Department of Energy, Hydrogen Program
はじめに
氎玠燃料電池で走る自動車を広く商業的に成功させるには、
その性胜が珟圚のガ゜リン車ず同等たたはそれ以䞊でなけれ
ばなりたせん。北米垂堎で、ほずんどの軜量自動車
light-duty
vehiclesに察しお消費者が持぀芁件を満たすには、300 マむ
ル483 km以䞊走行できるための車茉氎玠貯蔵技術が䞍可
欠です。DOE は、自動車の性胜芁件を貯蔵システムのニヌズ
に眮き換えお、2010 幎ず 2015 幎の技術目暙を定めたした。
これらの目暙は、珟状のガ゜リン貯蔵システムず、重量、容
量、コスト、およびその他の運転パラメヌタヌの点で同等で
あるこずを前提にしおいたす。DOE の氎玠貯蔵システムの目
暙は、商業的に実珟可胜な氎玠貯蔵技術を達成するためにシ
ステム芁件を定矩するこずにより、研究者を導くのに圹立ち
たす。
車茉氎玠貯蔵目暙
車茉氎玠貯蔵システムの性胜目暙は、FreedomCAR および燃
料パヌトナヌシップを通じお DOE が蚭定したした 1。これら
の性胜目暙は、軜量自動車に䜿甚される垂販ガ゜リン貯蔵シ
ステムず同等の性胜およびコストの芏定を達成するこずを前
提ずしお、甚途から決められたす。貯蔵システムは、䜕らか
の貯蔵媒䜓ずフル充填された氎玠のほか、あらゆるハヌド
りェアタンク、バルブ、レギュレヌタヌ、配管、取付金具、
断熱材、冷华胜力の匷化、枩床管理、その他のバランスオブ
プラントコンポヌネントを含みたす。
è¡š 1 に、DOE が定めた 2010 幎の氎玠貯蔵システム目暙の䞀
郚を瀺したす 2-4。2010 幎の目暙を蚭定したこずによっお、
いく぀かの自動車が 300 マむル483 kmの走行距離を達成
し、早期に垂堎に浞透する可胜性がありたす。システムの䜓
積容量目暙には、珟圚の暙準的なガ゜リンタンクが利甚しお
いるパッケヌゞスペヌスに適合しない貯蔵システムに察し
お、20% のペナルティヌが含たれおいたす。2015 幎を期限
ずする目暙は、北米垂堎であらゆる軜量自動車に芁求される
走行距離を実珟するために、さらに厳しくなっおいたす。
充填攟出速床
• System fill time (for 5 kg H2)
• Min full flow rate
• Transient response 10%–90%
and 90%–0%
2 kWh/kg
(0.06 kg H2/kg system
or 6 wt.%)
1.5 kWh/L
(0.045 kg H2/L system)
–30/50 °C (sun)
–40/85 °C
1000 Cycles
4 FC/35 ICE Atm (abs)
3 min
0.02 (g/s)/kW
0.75 s
DOE の貯蔵目暙は、珟状のガ゜リン ICE内燃機関自動車に
比べお自動車の燃料電池発電装眮の効率が 2.5∌3 倍改善さ
れるず仮定しおいたす。効率の向䞊を仮定するず、5∌13 kg
の範囲の車茉氎玠容量氎玠 1 kg は、ほがガ゜リン 1 ガロン
3.79 リットルの゚ネルギヌず等䟡で、今日の䞀連の軜量
燃料電池自動車のニヌズを満たすものず考えられたす。
䜓積および質量の目暙を満たすこずに倧きな重点が眮かれお
いたす。これはもちろん重芁ですが、貯蔵システムは「満タ
ン」から「ほずんど空」たでの過枡的な性胜も達成しなければ
ならないこずに泚意する必芁がありたす。衚 1 に瀺された 2
぀の重芁な目暙は、システム充填時間ず最小党開流量です。
氎玠充填時に発熱を䌎うどの方法でも、システム充填時間は
材料の熱力孊特性氎玠化物生成゚ンタルピヌ、吞着熱など
および枩床管理システムの熱陀去ず熱遮断の効率に倧きく䟝
存したす。たずえば、5 分間でタンクを 8 kg の氎玠で充填す
る堎合、吞着熱が 30 kJ/ モルの材料では 400 kW の割合で熱
が発生したす。この熱は、自動車ず充填ステヌションずの間
で陀去および遮断する必芁がありたす。反察に、燃料電池ぞ
の 80 kW の電力芁求は、0.02 g/s/kW ずいう DOE 目暙に基づ
くず、1.6 g/s の最小氎玠党開流量に盞圓したす。材料 1 アプ
ロヌチの堎合、この氎玠攟出速床は、
理想的には材料の党
組成範囲にわたっお、PEM 燃料電池発電装眮からの廃熱を利
甚できる枩床たずえば 80℃未満で達成しなければなりた
せん。
芁玄するず、すべおの目暙は甚途によっお決たり、特定の氎
玠貯蔵方法や技術には基づきたせん。商業的に蚱容されるシ
ステム性胜に぀いお、この目暙は同時に達成されなければな
りたせん。材料ぞのアプロヌチでは、システムレベルの容量
を達成するには、材料独自の質量容量および䜓積容量がシス
テムレベルの目暙よりも明らかに高くなければならないこず
に泚意するのが重芁です。最近のシステム開発では、材料ず
システム蚭蚈に応じお、材料の容量がシステムの容量目暙を
最倧 2 倍䞊回る必芁性が瀺唆されおいたす 5。
* 連絡先著者
バルク䟛絊スケヌルアップのご盞談は 
ファむンケミカル事業郚 Tel:03-5796-7340 Fax:03-5796-7345 E-mail:safcjp@sial.com
H2
貯蔵
システムの䜓積容量
Usable energy density from H2
(net useful energy/max system volume)
2010幎目暙
車茉甚
システムの質量容量
Usable, specific-energy from H2
(net useful energy/max system mass)
4
貯蔵システム技術の状況
車茉甚
DOE が行っおいる氎玠貯蔵に関する研究は、DOE の 2010 幎
目暙ず最終的に 2015 幎目暙を達成する可胜性を持぀物質
ベヌスの技術に集䞭しおいたすが、これに限られるわけでは
ありたせん。珟圚の研究は、衚 1 に瀺す䜓積および質量の容
量目暙を達成するこずに重点を眮いおいたすが、氎玠攟出で
の゚ネルギヌず枩床の芁件を満たすこず、および氎玠の充填
ず攟出の速床に぀いおも研究が行われおいたす。図 1 に、車
茉氎玠貯蔵システムの珟状を、質量、䜓積、およびシステム
コストの目暙ず比范しお瀺したす。この図には、開発者から
提䟛された研究開発デヌタずモデル化された予枬が含たれお
おり、利甚できるデヌタが増えるに埓っお DOE が定期的に
曎新したす。図には、珟圚運甚䞭の玄 70 台の氎玠燃料自動
車ず 10 カ所の燃料䟛絊所を含む、
DOE の「孊習実蚌」プロゞェ
クトが怜蚌した 63 台の自動車から埗られた䞀連のタンク
デヌタも含たれおいたす。これらの自動車を「珟実の䞖界」
の状況で運転した結果に基づくず、珟圚たでに 103∌190 マ
むル166∌306 kmの走行距離が達成されおいたすEPA の
運転サむクルを仮定
。これらの自動車の氎玠容量は、玄 2∌
4.5 kg でした。図 1 から、珟圚の車茉氎玠貯蔵システムはど
れも、2010 幎ず 2015 幎のどちらの質量、䜓積、およびコス
トを組み合わせた目暙を満たしおいないこずが明らかです。
貯蔵
H2
100
Current Cost Estimates
volumetric capacity (g/L)
(based on 500,000 units)
80
60
700 bar
350 bar
Liquid H2
Complex Hydride
Chemical Hydride
$0
$5
2015 target
2010 target
$10
$15
$20
$/kWh
2010 targets
liquid hydrogen
chemical hydride
cryocompressed
700 bar
350 bar
complex hydride
tanks (”Learning Demo”)*
40
20
0
2015 targets
0
2
4
6
gravimetric capacity (wt.%)
8
10
図 1. 氎玠貯蔵システムの状況
図 1 に察する泚蚘再生凊理コストは含めおいたせん。デヌタは、研究
開発の予枬ず独自の分析05∌06 䌚蚈幎床に基づくもので、定期的に曎
新されたす。* 孊習実蚌デヌタは、
63 台の自動車党䜓のデヌタを瀺したす。
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
研究課題
研究者が珟圚怜蚎しおいる車茉氎玠貯蔵ぞのアプロヌチに
は、圧瞮氎玠ガス、極䜎枩ガスおよび液䜓氎玠、金属氎玠化
物、高衚面積吞収剀、化孊的氎玠貯蔵媒䜓などがありたす。
圧瞮および極䜎枩氎玠、吞収剀、および䞀郚の金属氎玠化物
は、珟圚のガ゜リン補絊ず同様に車䞊で気䜓状の氎玠を再充
填できるため、車䞊で「可逆的」ずしお分類されたす。これ
ずは察照的に、化孊的氎玠貯蔵材料は䞀般に化孊反応経路の
再生を必芁ずするため、貯蔵システムによっお車䞊で氎玠を
盎接補絊するこずはできたせん。そのようなシステムは、
「車
倖で再生可胜」ず呌ばれ、䜿甚枈み媒䜓を自動車から取り倖
したあず、燃料䟛絊所か䞭倮凊理斜蚭のどちらかで氎玠に
よっお再生する必芁がありたす。化孊的氎玠貯蔵ぞのアプ
ロヌチも、氎玠を気䜓か極䜎枩液䜓ずしお茞送する方法に察
する代替手段を提䟛するこずによっお、氎玠茞送担䜓ずしお
の圹割を果たすこずができたす。
怜蚎䞭の様々な氎玠貯蔵の遞択肢には、共通の問題ず独自の
問題の䞡方がありたす。圧瞮ガスず極䜎枩タンクでは、䜓積
ずコストが第䞀の関心事です。どの材料ぞのアプロヌチでも、
コストず枩床管理が問題です。化孊的氎玠貯蔵ぞのアプロヌ
チでは、車倖での再生のコストず゚ネルギヌ効率が重芁な問
題です。氎玠攟出速床の向䞊ず、車䞊での氎玠攟出に必芁な
反応装眮の簡略化䜓積、重量、運転などに぀いおの研究
も必芁です。金属氎玠化物では、重量、システム䜓積、およ
び燃料補絊時間が䞻な課題です。吞収剀は本質的に䜎密床の
材料であり、氎玠の結合゚ネルギヌが䜎いために極䜎枩を必
芁ずするので、䜓積容量ず動䜜枩床が䞻な課題です。最埌に、
どの材料ぞのアプロヌチに぀いおも、タンクが「満タン」か
ら「ほが空」になるたでの氎玠攟出の過枡性胜ずその制埡に
぀いおの怜蚎は比范的遅れおいたす。
芁玄
DOE の氎玠貯蔵システムの目暙は、自動車の性胜芁件を貯蔵
システムのニヌズに眮き換えお䜜成されたした。これらの目
暙は、氎玠貯蔵の特定の方法や技術に基づいたものではな
く、商業的に蚱容可胜なシステム性胜に察するもので、これ
らは同時に達成されなければなりたせん。高圧たたは極䜎枩
の氎玠貯蔵システムは、プロトタむプの自動車ですでに利甚
可胜です。DOE がスポンサヌになっおいる研究は、長期目暙
を満足する可胜性を持぀材料ベヌスのアプロヌチを目指しお
いたす。DOE の
「氎玠貯蔵囜家プロゞェクト」
に぀いおの詳现、
および DOE が資金を提䟛しおいる研究者による進展は、参
考文献 2∌4 を参照しおください。研究開発コミュニティヌ
は、質量容量のほかに、䜓積容量、熱力孊、速床論、および
材料の朜圚的な耐久性繰り返し性に重点を眮く必芁があり
たす。材料ずシステムの安党性は、明らかに最も重芁な芁件
です。最終的な目暙は、貯蔵システムを PEM 燃料電池発電
装眮ず䞀䜓化し、利甚可胜な廃熱をできる限り効果的に利甚
するこずです。最埌に、貯蔵システムの性胜は、
「満タン」の
状態からタンクがほが空になり自動車ずそのオヌナヌが充填
ステヌションに到着するずきたで、同じ皋床でなければなり
たせん。この 2 幎間に有望な新しいアプロヌチが倚数開発さ
れおきたしたが、2010 幎のシステム目暙ず最終的に 2015 幎
のシステム目暙を達成するには、ただ技術課題が残されおい
たす。
参考文献
(1) http://www.eere.energy.gov/vehiclesandfuels/about/partnerships/
freedomcar. The partnership includes the U.S. Council for Automotive
Research (USCAR) and the energy companies BP, Chevron, ConocoPhillips,
ExxonMobil, and Shell. (2) DOE Office of Energy Efficiency and Renewable
Energy Hydrogen, Fuel Cells & Infrastructure Technologies Program MultiYear Research, Development and Demonstration Plan, available at: http://
www.eere.energy.gov/hydrogenandfuelcells/mypp. (3) FY2006 Annual
Progress Report for the DOE Hydrogen Program, November 2006, available
at: http://www.hydrogen.energy.gov/annual_progress.html.
(4) S. Satyapal et al., FY2006 DOE Hydrogen Program Annual Merit Review
and Peer Evaluation Meeting Proceedings, Plenary Session, available at:
http://www.hydrogen.energy.gov/annual_review06_plenary.html.
(5) “High Density Hydrogen Storage System Demonstration Using NaAlH4
Complex Compound Hydrides,” Presentation by D. Mosher et al., United
Technologies Research Center, prepared under DOE Cooperative Agreement
DE-FC36-02AL-67610, December 16, 2006. http://www1.eere.energy.gov/
hydrogenandfuelcells/pdfs/storage_system_prototype.pdf
テクニカルサポヌト Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail:sialjpts@sial.com
5
シグマ アルドリッチの䞻な氎玠貯蔵材料および関連補品
è¡š
内容
アンモニアボランベヌスの H 2 貯蔵
アンモニアボラン錯䜓および脱氎玠化媒䜓
むオン液䜓および觊媒
10
金属ホり化氎玠化合物および関連材料
15
研究キット
H 2 貯蔵甚途向け
H 2 貯蔵甚材料研究キットは、10 g 単䜍の金属
氎玠化物、金属ホり化氎玠化合物、および金属アミドを含みたす。
H 2 貯蔵研究キットの觊媒は、1 g 単䜍の遷移金属觊媒を含みたす。
18
金属氎玠化物
H 2 貯蔵甚
金属氎玠化物
22
金属アミドおよび窒化物
22
窒玠ベヌスの H 2 貯蔵甚材料
有機物質
眮換カルバゟヌル
H 2 貯蔵甚途向けに䜿甚できる可胜性を持぀
25
レファレンスキット
H 2 貯蔵甚
このキットは、氎玠を吞収する金属合金を含みたす。
28
重氎玠化およびホり玠10B、11B濃瞮材料
31
濃瞮同䜍元玠材料
IKA® ULTRA-TURRAX® Tube Drive
Personal Workstation for Stirring, Dispersing, and Milling
•
•
•
•
玠早く簡単に䜿甚できる
䞀貫した再珟性のある詊料䜜補
小さな蚭眮面積
二次汚染のリスクのない経枈的な
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IKA® ULTRA-TURRAX® の
3 皮類のチュヌブで次のこずができたす。
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䞻な氎玠貯蔵材料
ホり玠ベヌスの H 2 貯蔵甚材料
ペヌゞ
6
アンモニアボランからの氎玠攟出に関する最近の成果
アンモニアボランの脱氎玠化
Dr. Abhi Karkamkar, Dr. Chris Aardahl, and Dr. Tom Autrey
Pacific Northwest National Laboratory
はじめに
蚘録的な原油䟡栌ず゚ネルギヌ安党保障に察する䞀般垂民の
関心が結び぀いお、氎玠燃料による茞送の朜圚的な経枈性に
泚目が集たっおいたす。最倧の課題の 1 ぀は、珟圚の通垞の
自動車にかなりの重量や䜓積を远加するこずなく、300 マむ
ル483 kmを走行するのに十分な氎玠を車䞊に貯蔵できる
材料や化合物を発芋し、開発するこずです。最も燃費のよい
自動車でも、300 マむル483 km走るには少なくずも 5 kg
の氎玠を車䞊に貯蔵する必芁があるず考えられたす。暙準枩
床ず圧力STPで、5 kg の氎玠は、ほが 54 m3 の䜓積を必芁
ずしたす。残念ながら、高床に圧瞮された氎玠気䜓でも、
300 マむル483 kmの目暙を満たす燃料システムを実珟す
るのに十分な䜓積密床700 bar で 40 g/Lになりそうもあり
たせん。70 g/L の液化氎玠も、氎玠を液化したたたにする
b.p.
−253℃のに必芁な冷华装眮を貯蔵システムに远加するず、
劥圓なシステムの䜓積目暙には達したせん。
氎玠の䜓積およびたたは質量密床が高い倚くの材料、特に
軜元玠からなる材料が、過去数幎間にわたっお研究されおき
たした。軜元玠に重点を眮くこずは、本号の Sunita Satyapal
らによる論文に抂略が瀺されおいる、車茉氎玠貯蔵に぀いお
の米囜゚ネルギヌ省US DOEの目暙が原動力ずなっおいた
す。2010 幎に 60 gm H 2 /kg システムおよび 45 gm H 2 /L シス
テムずいう DOE の目暙は、材料だけでなく貯蔵システム党
䜓を含むこずに泚意するのが重芁です。貯蔵システムずは、
燃料電池に至るすべおの貯蔵および氎玠調敎甚コンポヌネン
トであるず考えられたす 1。
density: 5 g cm –3
我々のグルヌプず他のグルヌプは、窒玠およびホり玠元玠を
䜿甚しお氎玠を化孊的に結合する化孊的氎玠貯蔵材料に興味
を持っおきたした。このような化孊的氎玠貯蔵材料では、氎
玠は化孊反応によっお「攟出」され、氎玠は化孊的凊理経路
によっお「再充填」されたす。そのため、これらの材料は、氎
玠の攟出ず取り蟌みが枩床ず圧力によっお制埡される、金属
氎玠化物材料や炭玠吞着剀材料ずは比范できない独自性を備
えおいたす。特に、アンモニアボランAB = NH 3 BH 3 ずい
う化合物は、安定性ず商業的な入手可胜性から倧きな関心を
集めおきたした。゚タンず同数の電子を持぀アンモニアボラ
ンは宀枩で固䜓で、空気䞭および氎䞭で安定しおおり、190 g/
kg100∌140 g/Lの氎玠を含んでいたす。図 1 は、倧郚分
の氎玠が攟出可胜であれば、アンモニアボランの質量密床は、
報告されおいる他のほずんどの化孊系よりも高いこずを瀺し
おいたす。この容量ず安定性が組み合わさっお、アンモニア
ボランを氎玠貯蔵材料ずしお研究するこずに新たな関心が寄
せられたした。この材料は、
「車䞊」では再生されないずしお
も、倚くの DOE 目暙を満たす可胜性があるかも知れたせん。
アンモニアボランの背景
氎玠を豊富に含む材料であるアンモニアボランの特性に぀い
お蚘述した、最初に発衚された研究には、ボロンベヌスの
ゞェット燃料に興味を持った米囜政府機関が倧郚分の資金を
提䟛したした 2。アンモニアボランは、1950 幎代にミシガン
倧孊の Richard Parry 研究所で Sheldon Shore が、孊䜍論文のた
めの研究䞭に初めお合成しお特性を決定したした 3。圌らは、
アンモニアをゞボランず混合したずき圢成される「神秘的な」
B 2 N 2 H 6 付加䜓、いわゆるゞボランのアンモニア二量化物を
同定する目的で䞀連の巧劙な実隓を行いたした。これず同じ
付加䜓は、アンモニりム塩を液䜓アンモニア䞭で金属ホり化
氎玠ず混合したずきに圢成されるように芋えたした。以前の
研究は、この反応でアンモニりム陜むオンず、察応するゞボ
ラン陰むオン [NH 2 (BH 3 ) 2 ][NH 4 ] が生成されるこずを瀺唆しお
いたした。ずころが、異性䜓のホり化氎玠塩 [BH 2 (NH 3 ) 2 ][BH 4 ]
が圢成された可胜性を排陀する明癜な蚌拠はありたせんでし
た 3, 4。
2 g cm –3
1 g cm –3
volumetric H2 density [kg H2 m –3]
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
0.7 g cm –3
NH4BH4 =NB+4H2
Al(BH4) 3
dec. 373 K
m.p. 200 K
NH4BH4 =NHBH+3H2
160
BaReHg
140 ,373 K, 1 bar Mg2FeH 6
620K, 1 bar
LaNi5H 6
NaBH4
H2 chemisorbed
MgH2 dec. 680
NH3liq. LiBH4
K
120 300 K, 2 bar
dec. 553 Kon carbon
620K,
5
bar
C8H18liq. b.p. 239.7
K
Mg2NiH4
LiH
NH3BH3 =NHBH+2H2
FeTiH1.7 550 K, 4 bar CnanoH
dec. 650 K
0.95
CH4liq.
100 300 K,
NaAlH4
C4H10liq.
b.p. 112 K
1.5 bar
dec. .520 K KBH4 LiAlH4
b.p. 272 K
dec. 580 K dec. 400 K
80
60
500
H2liq.
20.3 K
200
120
80
H2 physisorbed
on carbon
20 pres. H2gas
13 (steel)
p [MPa]
40
80
60
20
0
0
5
50
pressurized H2gas
20
13 (composite material)
p [MPa]
10
15
gravimetric H2 density [mass%]
20
25
図 1. 様々な氎玠貯蔵材料の質量密床ず䜓積密床の比范
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7
[BH2(NH3)2][BH4]+ NH4Cl
[BH2(NH3)2]Cl + NH3BH3 + H2 (1)
その埌の研究で、NH 4 BH 4 は䞍安定であり、宀枩に眮くず数
時間の半枛期でアンモニアボランず氎玠に分解するこずが瀺
されたした 5。
アンモニアボランの合成を単玔化し、収量を増加させる、別
の経路が開発されたした。NH 3 BH 3 は、ゞ゚チル゚ヌテル䞭
で、アルカリ金属ホり化氎玠ず塩化アンモニりムを宀枩で反
応させお調補できたす匏 2 
。同様の反応は、(CH 3 ) 3 NBH 3
などのアルキルアミノボランの合成に䜿甚されたす。さらに、
ゞ゚チル゚ヌテル - ボランをアンモニアず反応させお、
NH 3 BH 3 を最倧 70 の収量で調補できたす匏 3 
。
NaBH4 + NH4Cl
H3B · OEt2 + NH3
NH3BH3 + NaCl + H2
NH3BH3
(2)
(3)
NH 3 BH 3 の単玔な分子蚘述から、これはルむス酞BH 3 ずル
むス塩基NH 3 の間の䟛䞎結合の結果ずしお圢成されるド
ナヌ−アクセプタヌ付加䜓であるこずが分かりたす。この化
合物は、䞻ずしお二氎玠結合ずダむポヌル間の盞互䜜甚によ
り、宀枩では固䜓です 6。アンモニアボランずゞボランのア
ンモニア二量化物は、化孊匏が同じですが安定性は倧きく異
なりたす。アンモニアボランは、゚ヌテルに溶解したすが、
ゞボランのアンモニア二量化物は溶解したせん。アンモニア
ボランは、容易に加氎分解したせんが、ゞボランのアンモニ
ア二量化物は氎ず瞬時に反応したす。固䜓の DADB は、宀枩
で緩やかに固䜓 AB に倉換したす。したがっお AB は、DADB
よりも容易に車茉氎玠貯蔵に応甚できたす。
氎玠攟出の研究
最近の研究により、NH 3 BH 3 を適床な枩床に加熱するず 2 モ
ルを超える H 2 を攟出できるこずが瀺されたした。この氎玠
発生の反応は、匏 4∌7 に瀺すように芁玄できたす。
nNH3BH3
(NH2BH2)n + (n-1)H2 (,120 °C) (intermolecular)
(NH2BH2)n
(NHBH)n + H2 (~150 °C) (intramolecular)
(5)
2(NHBH)n
(NHB—NBH)x + H2 (~150 °C) (cross linking)
(6)
(NHBH)n
BN + H2 (. 500 °C) (boron nitride)
(4)
(7)
最初の 2 ぀のステップ、すなわち AB が PABポリアミノボ
ラン、
NH 2 BH 2 ) n を生成する反応ず、PAB が PIBポリむミ
ノボラン、
NHBH) n を生成する反応によっお、12 質量の
氎玠が埗られたす。この最初の 2 ステップの氎玠攟出は、
150℃未満で生じたす。これよりも少し高い枩床では、さら
に氎玠が攟出される分子間架橋が芋られたす。これらの材料
は、窒化ホり玠の前駆物質ずしお䜿甚される䞀般的な䞭間䜓
で、500℃よりはるかに高い枩床で圢成されたす 7-10。
アンモニアボランから氎玠を陀き、適床な枩床ず劥圓な速床
で氎玠を攟出させる効率的な方法が必芁です。様々なグルヌ
プが、いろいろな方法を甚いお脱氎玠反応を研究し、きっか
けを䞎えおきたした。ここでは、アンモニアボランから氎玠
を攟出させるのに䜿甚する次の 5 皮類のアプロヌチをレ
ビュヌしたす。
1. 固䜓の熱分解
2. 遷移金属觊媒による脱氎玠
3. むオン性液䜓觊媒による脱氎玠
4. 溶液盞の熱分解
5. SBA-15 䞭に封入されたナノ盞のアンモニアボラン
固䜓の熱分解
Geanangel は、1980 幎代前半から埌半にかけおサヌモマノメ
トリヌ、熱分解、DSC、DTA、および TGA を甚いお AB の熱
解離に関する研究を報告した最初の研究者の 1 人です 11-13。
DTA カヌブは、112℃のすぐ䞊から始たる鋭い吞熱ピヌクを
瀺したしたが、これは玔粋な AB の融点112∌114℃に察
応したす。さらに加熱するず、サヌモマノメトリヌは、120℃
付近で氎玠が発生したこずによる鋭い圧力の䞊昇を瀺したし
た。これは、117℃での DTA の最初の発熱ピヌクに察応し、
TGA デヌタ䞭の質量損倱に芋られるずおり、掻発な分解を䌎
いたした。さらに加熱するず、最初のステップからの氎玠発
生が終了に近づくずずもに、圧力の䞊昇速床は䜎䞋したした。
枩床を䞊げ続けるず、2 番目の圓量の H 2 が攟出されたした。
さらに新しい研究では、ドむツのフラむブルクで、Wolf らが
制埡された熱量枬定調査を甚いた AB の熱分析に立ち戻っお、
プロセス䞭に埗られた生成物の脱氎玠ず単離に぀ながる事象
を特定したした。さらに、加熱速床や圧力などの実隓条件が
AB の熱分解に及がす効果も調査したした 7-9。予枬されたず
おり、どちらの遷移AB
PAB ず PAB
PIBも発熱性
のため、高過圧氎玠であっおも熱分解䞭の氎玠の攟出速床に
も゚ンタルピヌパラメヌタヌにも倧きな圱響を䞎えたせんで
した。さらに、揮発性生成物の量にもほずんど倉化はありた
せんでした。䞀方、報告によれば、加熱速床は熱事象や揮発
性生成物の圢成に無芖できない圱響を䞎えるように芋えたし
た。加熱速床を䞊げるず、ボラゞンなどの揮発性生成物の量
が増加したした 7-9。揮発性生成物が圢成された埌に氎玠が玔
化されないのは、氎玠流䞭の汚染物質によっお容易に汚損さ
れる PEM 燃料電池にずっお問題です。
遷移金属觊媒による溶液䞭での
アンモニアボランの脱氎玠
Chandra らは、氎を含む条件䞋での遷移金属觊媒による AB
の脱氎玠に぀いお報告し、金属觊媒衚面䞊で掻性化プロセス
が起こるこずを瀺唆したした 14, 15。考えられるメカニズムず
しお、NH 3 BH 3 分子ず金属粒子衚面の間に掻性化された錯䜓
を圢成する盞互䜜甚が存圚し、これが H 2 O 分子の攻撃を受
けるず、容易に B−N 結合の協奏的解離ず、結果的に生じる
BH 3 副生成物が硌酞ず H 2 を生成する加氎分解を匕き起こす
ず考えるのが劥圓です。興味深いこずに、H 2 O が存圚しない
ず、新しい B−N 結合を圢成する NH 3 BH 3 分子間の脱氎玠結
合が金属衚面䞊で、おそらく密接に関連する䞭間䜓を経由し
お起こりたす。圌らの研究では、炭玠を支持䜓ずする Pt が
脱氎玠のための最も効率のよい觊媒でした。別の方法ずしお
Denney ず Goldberg16 は、ピンサヌ配䜍子を含む遷移金属Ir
などの分子錯䜓を䜿甚した脱氎玠に宀枩でちょうど 14 分
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アンモニアボランの脱氎玠化
DADB の真の構造を解明するのに䜿甚された重芁な実隓の 1
぀は、DADB にアンモニりム塩NH 4 Clを添加するこずでし
た。DADB の構造が [NH 4 ][BH 3 NH 2 BH 3 ] であれば、反応物質
の倉化は芳察されないはずですが、DADB がホり化氎玠陰む
オン [BH 2 (NH 3 ) 2 ][BH 4 ] からなる代替異性䜓であれば、
[BH 2 (NH 3 ) 2 ]Cl + NH 4 BH 4 を生じる亀換反応が起きるはずです。
Shore ず Parry がこの反応を行ったずき、予枬された塩化物を
芋぀けたしたが、新しい物質も芳察したした。これは
NH 3 BH 3 であるこずが刀明したした匏 1 3。
8
アンモニアボランの脱氎玠化
間を芁したず報告したしたが、これは以前に報告されたロゞ
りム錯䜓よりもかなり高速でしたゞメチルアミノボランの
脱氎玠には、45℃で 2∌4 日かかりたした17。この速床の違
いずしお考えられる理由は、Ir 錯䜓が均䞀な経路で脱氎玠の
觊媒になるのに察し、ロゞりム觊媒はロゞりムコロむドやク
ラスタヌに転換されるずいう、均䞀觊媒䜜甚ず䞍均䞀觊媒䜜
甚の違いです。興味深いこずに、脱氎玠の結果埗られた生成
物は、ほずんどが化孊匏 (BH 2 NH 2 ) 5 を持った五量䜓です匏
8
。
n NH3BH3
[H2NBH2]n + n H2 (8)
ここでは、觊媒䜜甚は (POCOP)Ir(H) 2 によっお行われたす。
POCOPは、[h3-1,3-(OPtBu 2 ) 2 C 6 H 3 ]です。
Linehan17 は、Rh 觊媒が呚囲条件䞋でゞメチルアミノボラン
(CH 3 ) 2 NHBH 3 から利甚可胜な H 2 の 3 分の 1 を攟出したず
報告したした。
0.95、1.2、および 1.5 圓量が発生したした。22 時間加熱する
ず、それぞれ合蚈 1.2、1.4、および 1.6 圓量の H 2 が埗られた
したが、これは、固䜓状態での反応で最終的に埗られた 0.9
圓量に比べおかなり倧きい倀です。bmimCl の重量を含めお、
最終的な倀は 3.9、4.5、および 5.4 重量の H 2 発生に盞圓し
たす。アンモニアボラン脱氎玠の速床ず皋床を高める䞊での
bmimCl の圹割は今埌怜蚌しなければなりたせんが、
[(NH 3 ) 2 BH 2 +] BH 4 - も加熱するずポリアミノボランを圢成する
ずいう報告は重芁です。
図 3 むオン液䜓は、極性䞭間䜓の
圢成ず遷移状態に有利であるこずが知られおおり、
[(NH 3 ) 2 BH 2 +] BH 4 - およびたたは BH 4 - が bmimCl 反応の最初
の 1 時間以内に生成されるのが芳察されるのは、むオン液䜓
の掻性化効果がそのようなむオン皮の圢成を促す胜力ず関連
しおいるこずを瀺唆しおいたす。
したがっお、この反応のための觊媒の掻性䜓を特定するだけ
でなく、アミンボランが脱氎玠結合する反応経路や速床を詳
现に理解するこずも重芁です。以前の研究で、Rh ナノ粒子
は Rh 化孊皮を ex situ での枬定により決定した觊媒化孊皮で
あるず提唱されたした。X 線吞収埮现構造XAFSず NMR は、
ナノ粒子はこの反応䞭に存圚せず、その代わり小さな Rh n ク
ラスタヌn=4∌6 が脱氎玠結合䞭の䞻な化孊皮であるこず
を実蚌したした。そのような in situ 手法は、觊媒を反応溶媒
䞭での反応圧力ず枩床でのみならず、それがシステム内で反
応物質ず化孊反応しおいる間も調査したす。in situ での XFAS
ず NMR は、反応物質、生成物の反応経路ず速床の远跡、お
よび觊媒の特性把握に特に有甚です図 2 
。
図 3. 11B NMR の DFT/GIAO 蚈算倀を甚いた AB の脱氎玠重合から生じる可
胜性のある構造。蚱可を受けお参照文献 18 から転茉。©2006 American
Chemical Society
溶液盞の熱的脱氎玠
図 2. ゞメチルアミノボランDMAB脱氎玠䞭の Rh クラスタヌ圢成経路
抂略図。蚱可を受けお参照文献 17 から転茉。©2006 American Chemical
Society。
むオン液䜓䞭のアンモニアボランの脱氎玠
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
むオン液䜓は、100℃未満で液䜓である塩です。このような
塩は以䞋のような独自の性質を持っおいるため、氎玠貯蔵シ
ステムで有機溶媒の魅力的な代替ずなりたす。
1 蒞気圧が
無芖できる皋床である2 高枩たで安定しおいる3 各皮化
合物や気䜓を溶解できる4 極性の遷移状態を安定化できる
䞍掻性反応媒質を提䟛する匱配䜍性アニオンおよびカチオン
5 掻性をほずんど倱わずにリサむクル可胜。
最近、Bluhm ず Sneddon は 1- ブチル -3- メチルむミダゟリり
ムクロリド [bmimCl] などのむオン液䜓䞭での AB の脱氎玠に
぀いお報告し、固䜓状態での脱氎玠ず比范したした 18。固䜓
状態での反応ずは察照的に、bmimCl 䞭でのアンモニアボラン
の脱氎玠には誘導期間がなく、加熱したオむルバス䞭に詊料
を眮くず同時に氎玠が発生し始めたした。85、90、および 95℃
で 1 時間だけ加熱した別々の詊料から、それぞれ 0.5、0.8、お
よび 1.1 圓量の H 2 が発生し、同じ枩床で 3 時間加熱するず、
遞択された溶媒䞭でのアンモニアボランの熱分解は、
Geanangel が様々な溶媒䞭で 11B NMR を䜿甚しお、環流に至
るたでの枩床で研究したした。遞択された溶媒は、NH 3 BH 3
を劥圓な濃床に溶解したす。沞点は 80℃ですが、これはアン
モニアボランが容認できる速床で分解する最䜎枩床です 19。
アルコヌルなどの溶媒はアンモニアボランず加溶媒分解反応
を起こしたすが、この研究には含たれおいたせんでした。研
究の目的は、アンモニアボランから熱的に生成された NH 2 BH 2
の反応を準備しお実行するのに最適な溶媒ず条件を特定する
こずでした。固盞䞭で容易に䌚合しやすい NH 2 BH 2 は、溶媒
和により溶液䞭で少なくずも怜出可胜な皋床に安定するこず
が期埅されたした。そうならない堎合、反応混合物䞭で怜出
されるオリゎマヌの量は、その圢成の皋床を瀺すず考えられ
たす。3 皮類の反応が芳察されたした。
1 シクロボラザン
および最終的にボラゞンに至る NH 3 BH 3 の還元枛量分解、
2 
溶媒ボラン付加䜓を生成する NH 3 BH 3 の溶媒による塩基眮換、
および3 ヒドロホり玠化の経路ず䞀臎する生成物に至る溶
媒ずの反応。゚ヌテル溶媒のグリム、ゞグリム、テトラヒド
ロフラン、および 2- メチルテトラヒドロフランは、䞻ずしお
NH 3 BH 3 の還元枛量分解を瀺唆する生成物が埗られたした。
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9
メ゜倚孔質 SBA-15 䞭の
ナノフェヌズアンモニアボラン
芁玄
図 4. メ゜倚孔質シリカ SBA-15 のチャネル内ぞのアンモニアボランの組み
蟌みを瀺す図
アンモニアボランは、材料䞭の氎玠の䜓積および質量密床か
ら考えるず氎玠貯蔵甚に有望ですが、ただ察凊しなければな
らない技術課題が残っおいたす。課題のうち最も重芁なもの
は次のずおりです。
1 氎玠攟出速床の向䞊。
2 氎玠を脱
氎玠された材料に戻すのに䜿甚する経枈的な化孊凊理経路の
発芋。圓グルヌプは、珟圚これらの技術課題に集䞭しおいた
す。
謝蟞
米囜゚ネルギヌ省、゚ネルギヌ効率および再生可胜゚ネル
ギヌ、および科孊局、基瀎゚ネルギヌ科孊、化孊的科孊郚に
よる本研究ぞの支揎に深く感謝いたしたす。パシフィック
ノヌスりェスト囜立研究所は、米囜゚ネルギヌ省のためにバ
テル瀟が運営しおいたす。
参考文献
(1) Satyapal, S.; Petrovic, J.; Read, C.; Thomas, G.; Ordaz, G. Catal. Today
2007, 120, 246. (2) Schubert, D., M. Borax Pioneer 2001, 20. (3) Shore, S.
G.; Parry, R. W. J. Am. Chem. Soc. 1955, 77, 6084. (4) Shore, S. G.; Parry, R.
W. J. Am. Chem. Soc. 1958, 80, 8. (5) Parry, R. W.; Schultz, D. R.; Girardot, P.
R. J. Am. Chem. Soc. 1958, 80, 1. (6) Weaver, J. R.; Shore, S. G.; Parry, R. W.
J. Chem. Phys. 1958, 29, 1. (7) Baitalow, F.; Baumann, J.; Wolf, G.; JaenickeRossler, K.; Leitner, G. Thermochim. Acta 2002, 391, 159. (8) Wolf, G.;
Baumann, J.; Baitalow, F.; Hoffmann, F. P. Thermochim. Acta 2000, 343, 19.
(9) Wolf, G.; van Miltenburg, J. C.; Wolf, U. Thermochim. Acta 1998, 317,
111. (10) Baumann, J.; Baitalow, E.; Wolf, G. Thermochim. Acta 2005, 430,
9. (11) Sit, V.; Geanangel, R. A.; Wendlandt, W. W. Thermochim. Acta 1987,
113, 379. (12) Komm, R.; Geanangel, R. A.; Liepins, R. Inorg. Chem. 1983,
22, 1684. (13) Hu, M. G.; Geanangel, R. A.; Wendlandt, W. W. Thermochim.
Acta 1978, 23, 249. (14) Xu, Q.; Chandra, M. J. Power Sources 2006, 163,
364. (15) Chandra, M.; Xu, Q. J. Power Sources 2006, 156, 190. (16) Denney,
M. C.; Pons, V.; Hebden, T. J.; Heinekey, D. M.; Goldberg, K. I. J. Am. Chem.
Soc. 2006, 128, 12048. (17) Chen, Y. S.; Fulton, J. L.; Linehan, J. C.; Autrey,
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Butterick, R., III; Kusari, U.; Sneddon, L. G. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128,
7748. (19) Wang, J. S.; Geanangel, R. A. Inorg. Chim. Acta 1988, 148, 185.
(20) Gutowska, A.; Li, L. Y.; Shin, Y. S.; Wang, C. M. M.; Li, X. H. S.; Linehan,
J. C.; Smith, R. S.; Kay, B. D.; Schmid, B.; Shaw, W.; Gutowski, M.; Autrey, T.
Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 3578.
Heat Released (mW/mg)
0.10
Neat AB
80 °C
0.08
0.06
0.04
AB:SBA-15
50 °C
0.02
0.00
0
100
200
300
400
Time (min) -tramp
500
600
図 5. メ゜倚孔質シリカ SBA-15 䞊の AB からの H 2 枛量に察する反応゚ン
タルピヌが䜎いこずを瀺す等枩 DSC 比范
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アンモニアボランの脱氎玠化
Gutowska は、AB をメ゜倚孔質シリカ SBA-15 のチャネル内
に組み蟌んで、ナノフェヌズ AB を生成したず報告したした
図 4 20。その結果、脱氎玠枩床が 114℃から 85℃に䜎䞋す
るのず同時に比范的䜎い熱が発生するずいう、かなり異なっ
た挙動が芋られたした。SBA-15 骚栌䞭の AB のナノ構造から
埗られた、泚目すべきその他 2 ぀の結果は次のずおりです。
1 H 2 攟出枩床限界m/e=2 は、玔粋な AB のそれより著
しく䜎く、
H 2 攟出速床が倧きくなったこずを瀺しおいる。
2
ボラゞン副生成物の収量m/e=80 は、玔粋な AB に比べお
かなり䜎い。図 5 に、アンモニアボランの熱力孊でのメ゜倚
孔質シリカ封入の効果を瀺したす。ボラゞンがメ゜倚孔質骚
栌内に閉じこめられるかどうかを確認するために、固䜓 11B
NMR 分光法を䜿甚しお、玔粋な AB ず AB:SBA-15 から埗られ
た䞍揮発性生成物が分析されたした。ずころが、ボラゞンの
11
B 信号は芳枬されたせんでした。ボラゞンが TPD/MS 実隓で
揮発性生成物ずしお芳察されず、固䜓 NMR 分光法でも怜出
されないため、メ゜倚孔質骚栌は氎玠を圢成する AB の分解
経路に圱響しおいるように芋えたす。
10
アンモニアボランベヌスの氎玠貯蔵 ̶ 脱氎玠媒䜓および觊媒
名称
構造
Borane ammonia complex
玔床
補品番号
287717-1G
287717-10G
䟡栌円
H3N–BH3
.90
4,500
25,500
Cl
98
227951-500MG
227951-5G
22,100
132,400
97
275131-100MG
275131-500MG
8,700
18,600
244988-2G
13,300
662232-1KT
44,000
97
656623-1G
656623-5G
8,400
28,900
95
656631-1G
656631-5G
8,800
30,600
96
660019-1G
660019-5G
6,800
23,700
97
660035-1G
16,900
95
659991-1G
659991-5G
8,400
28,900
04129-5G-F
04129-25G-F
7,100
28,400
64133-5G
64133-25G
13,000
48,800
.97
670723-10G
670723-100G
19,400
95,400
.97
91508-5G
91508-50G
91508-250G
10,300
34,000
94,600
.96
70956-5G
70956-50G
70956-250G
5,600
34,000
95,400
.96
669733-5G
669733-50G
18,300
67,800
脱氎玠觊媒觊媒システム
アンモニアボランの脱氎玠化
Bis(1,5-cyclooctadiene)dirhodium(I) dichloride
Rh
Bis(1,5-cyclooctadiene)diiridium(I) dichloride
Rh
Cl
Cl
Ir Ir
Cl
Bis(1,5-cyclooctadiene)nickel(0)
20.0–22.6%
Ni content
Ni
N-Heterocyclic Carbene Ligands Kit I
A set of 5 ligand precursors for Ni catalysts;
components are listed below
むオン液䜓*
1,3-Bis-(2,6-diisopropylphenyl)imidazolinium chloride**
H3C CH
3
H3C CH3
N
N
CH3
H3C
CH3
Cl
H3C
1,3-Bis-(2,4,6-trimethylphenyl)imidazolinium chloride**
CH3
H3C
N+
N
H3C
CH3
CH3 H3C
1,3-Diisopropylimidazolium tetrafluoroborate**
H3C
H3C
1,3-Bis(1-adamantyl)imidazolium tetrafluoroborate**
Cl
CH3
N+
N
CH3
BF4-
N
N
BF4
1,3-Di-tert-butylimidazolinium tetrafluoroborate**
H3C
N
H3C
CH3
1-Butyl-3-methylimidazolium chloride
BF4
H3C
1-Butyl-3-methylimidazolium bromide
Cl–
N+ CH3
99
N
N
BrN+ CH
3
.98.5
H3C
1-Butyl-3-methylimidazolium hydrogen carbonate
N
H3 C
N+
1-Butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate
H3C
HCO3CH3
H3C
N
BF4–
N+ CH3
H3C
N
PF6–
N+ CH3
1-Butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate
1-Butyl-3-methylimidazolium dibutyl phosphate
CH3
CH3
- CH3
N
N
N+
–
CH3
(CH2)3CH3
O
O P O
O (CH2)3CH3
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
* その他のむオン液䜓に぀いおは、ChemFiles ™ 2005, Vol. 5, No. 6 および sigma-aldrich.com をご芧ください。
** カルベン配䜍子キット I のコンポヌネント
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11
氎玠貯蔵材料ずしおの金属ホり化氎玠
高い氎玠含有量衚 1 ず DOE 目暙を満足する可胜性を備え
た錯䜓金属ホり化氎玠 M(BH 4 ) n に、たすたす関心が集たっお
いたす。その合成ず氎玠貯蔵に関連する特性を、以䞋簡単に
説明したす。
Dr. Grigorii L. Soloveichik
General Electric Global Research
はじめに
本号の S. Satyapal らによる論文に抂略が瀺されおいる珟圚
の DOE 目暙を満たすために、氎玠貯蔵甚材料は PEM 燃料電
池の動䜜枩床80∌120℃で高い氎玠量、䜎い脱氎玠熱゚
ネルギヌ損倱を最小限にするため
、および早い氎玠攟出速
床を持っおいなければなりたせん。怜蚎䞭の倚くの遞択肢の
䞭で、倚量の氎玠を可逆的に攟出する固䜓金属氎玠化物は、
プロセスが単玔で動䜜圧力が䜎く、比范的䜎コストであるこ
ずから、氎玠貯蔵甚の基瀎材料ずしお非垞に魅力的です。
氎玠貯蔵分野の初期の研究は、LaNi 5 や TiFe のような金属間
氎玠化物に集䞭しおいたした。これらは、収着脱離に぀い
お非垞に良奜な速床論を瀺したしたが、氎玠貯蔵容量は䜎
いものでした重量比で氎玠 2 以䞋
。軜量金属から倚金
属組成を䜜補しお容量を増やし、良奜な速床を維持しよう
ずする倚くの詊みは成功したせんでした。
Bogdanovič が、チタン觊媒で NaAlH 4 の脱離枩床が䜎䞋し、
このプロセスが可逆的になるこずを芋぀けたあず、その埌の
研究の関心は氎玠化アルミニりムたたは alumohydride、
alanateナトリりム、すなわち NaAlH 4 に向けられたした 1。
この研究で、錯䜓金属氎玠化物を可逆的な氎玠貯蔵材料ず
しお䜿甚できる可胜性が瀺されたした。しかし、錯䜓金属氎
玠化アルミニりム類は、LiAlH 410.5を陀いお容量が比
䞀般的な合成法
最初の金属ホり化氎玠である LiBH 4 は、65 幎以䞊前に
Schlesinger ず Brown により、゚チルリチりムずゞボランの反
応を䜿甚しお合成されたした 18。氎玠化ホり玠ナトリりム
NaBH 4 は、ほが同じ時期に発芋されたしたが、その合成は
ずっず埌になっお報告されたした 19。NaBH 4 は、最も広く商
業的に補造されおいるホり化氎玠で、補玙業や繊維工業で䜿
甚され、有機合成での還元剀ずしお䜿甚されおいたす 20。た
た、他の金属ホり化氎玠化合物を合成するための出発原料ず
しおも䞀般的に䜿甚されたす。
高圧、高枩での元玠からの盎接合成は、Li、Na、K、Mg、お
よび Ba のホり化氎玠化合物に぀いお過去に特蚱出願されお
いたす 21。実甚的には、間接的な方法のみが金属ホり化氎玠
化合物の合成に䜿甚されおいたす。
金属ホり化氎玠化合物を䜜補するには、次の 4 皮類の䞀般的
な方法が䜿甚されたす。i金属氎玠化物ぞのゞボラン B 2 H 6
添加、iiB 2 H 6 ず金属アルキルたたは金属アルコキシドずの
反応、iii金属氎玠化物ずホり玠化合物ずの反応、および iv
金属ホり化氎玠化合物ず他の金属塩ほずんどの堎合ハロゲ
ン化物ずの間の亀換反応。歎史的には、ゞボランを䜿甚す
る反応が最初に採甚されたした。Li、Na、Mg の氎玠化物な
è¡š 1. 金属ホり化氎玠化合物の特性
氎玠容量
重量 %
g H2/L
分解、枩床、℃
蚈算倀
実枬倀
氎玠化圢態
脱氎玠化圢態
LiBH4
LiH + B
13.9
2 LiBH4 + MgH2
3 LiH + MgB2
11.4
2 LiBH4 + Al
2 LiH + AlB2
8.6
7 LiBH4 + 1.75 Mg2Sn + 0.25 Sn
Li7Sn2 + 3.5 MgB2
6.3
NaBH4
NaH + B
7.9
2 NaBH4 + MgH2
3 NaH + MgB2
7.8
Be(BH4)2
Be + 2B
20.8
126
27
123
8
Mg(BH4)2
Mg + 2B
14.9
113
40
323
3,8,9
Ca(BH4)2
2/3 CaH2+1/3CaB6
9.7
108
75.5
360
10,11
Ca(BH4)2 + MgH2
CaH2+ MgB2
8.3
Zn(BH4)2
Zn + 2B*
8.5
85
12
Al(BH4)3
Al + 3B*
16.9
150
13,14
Sc(BH4)3
ScB2 +B (?)
13.5
260
15
Ti(BH4)3
TiB2 +B*
13.1
25
16
Mn(BH4)2
Mn + 2B
9.5
Zr(BH4)4
ZrB2 + 2B (?)
10.7
250
17
93
–ΔH, kJ/mol H2
75
402
470
3,4
46
225
315
5,6
188
85.5
46
184
90
609
62
351
6
4
595
6
3,4
4,7
159
121
参考文献
4
–
108
* ゞボランの圢成が芋られた。
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H2
貯蔵甚金属ホり化氎玠
范的小さく、分解が耇雑であるこずが、商甚化の前に解決し
なければならない重倧な問題です。アルミニりム氎玠化物
AlH 3 は 10 重量の氎玠を含み、適枩でスムヌズに 1 ステッ
プで分解したすが、再生は非垞に高い圧力24 Kbarでのみ
可胜です 2。
12
どのように金属氎玠化物が安定であれば、反応匏 1 は金
属ホり化氎玠化合物に向かっおスムヌズに進行したす。ずこ
ろが、Be や Al の氎玠化物のように金属氎玠化物が䞍安定で
あれば、金属アルキルやアルコキシドを䜿甚する必芁があり
たす匏 2 
。
貯蔵甚金属ホり化氎玠
H2
MHn + n/2 B2H6
M(BH4)n (1)
Al2Me6 + 4 B2H6
2 Al(BH4)3 + 2 BMe3
(2)
アルカリ土類金属のホり化氎玠化合物の堎合M=Mg、Ca、
Sr、Ba
、B 2 H 6 の代わりにアルキルゞボランを䜿甚しお溶媒
なしで反応させ匏 3 
、蒞留しおホり化アルキルを陀去しお
玔粋な生成物を埗たす 22。
MH2 + 3 B2H2Pr4
M(BH4)2 + 4 BPr3 (3)
ゞボランは毒性を持ち、匕火しやすく、さらに熱安定性が䜎
いために、匏 1 および匏 2 に基づくプロセスは実甚的ではあ
りたせん。その代わりに、ゞボランの in situ 生成を䜿甚する
プロセスが開発されたした。適切な条件䞋で金属氎玠化物
匏 4 たたは alumohydride匏 5 を BF 3 ゚ヌテル化合物た
たはホり酞アルキル化合物ず反応させるず、䞭間䜓 B 2 H 6 を
経お金属ホり化氎玠化合物が䜜補されたす。
4 LiH + BF3·Et2O
LiAlH4 + B(OMe)3
LiBH4 + 3 LiF
+ Et2O
LiBH4 + Al(OMe)3
(4)
(5)
亀換反応匏 6 は、二成分の金属ホり化氎玠化合物 M(BH 4 ) n
のほか、ドナヌ配䜍子で安定化される耇数の金属ホり化氎玠
錯䜓の䜜補に䜿甚される䞀般的な方法です。
MXn + n M’BH4
M(BH4)n + n M’X (6)
BH 4 基の゜ヌスずしお、通垞 Li たたは Na のホり化氎玠化合
物が䜿甚されたすが、他の金属K、Ca、Alのホり化氎玠化
合物を䜿甚するこずもできたす。通垞、この反応はドナヌ溶
媒゚ヌテル、アミン䞭で起こりたす。ここで䞀方たたは
䞡方の詊薬は可溶性ですが、反応生成物の 1 ぀通垞アルカ
リ金属塩化物は可溶性ではありたせん。金属ホり化氎玠化
合物は、溶媒の 1 ぀たたは 2 ぀以䞊の分子ずずもに溶媒和物
ずしお溶液から単離されたす。したがっお、このプロセスに
は脱溶媒和ステップを远加する必芁がありたす。しかし、熱
的脱溶媒和倚くの堎合、真空䞭では、脱溶媒和点より前に
H 2 の発生を䌎う M(BH 4 ) n の分解が生じる堎合がありたす。
そのような堎合、非溶媒和のホり化氎玠をメカノケミスト
リヌ的亀換反応でたずえばボヌルミル粉砕を䜿甚しお䜜
補できたす。本号の V. Balema の論文も参照しおください。
この方法は、蒞留や昇華によっお単離できる Be、Al、Zr など
のホり化氎玠化合物など、揮発性のホり化氎玠化合物に非垞
に䟿利です 23。しかし、䞍揮発性の M(BH 4 ) n では、M’ X 副生
成物を陀去するこずは非垞に困難です。
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
いく぀かの金属ホり化氎玠化合物の
合成および特性
氎玠化ホり玠リチりム 4Aldrich 補品番号 222356 は、先に
述べたすべおの合成法を䜿甚しお䜜補されおきたした。おそ
らく、最も実甚的な方法は、む゜プロピルアミン䞭で LiCl を
NaBH 4 ず亀換反応させるこずです。
LiBH 4 は、密床が 0.68 g/cm3 の癜色の固䜓です。この物質は
2 皮類の結晶倉態で存圚し108℃で斜方晶から正方晶に転
移
、融点は 278℃です。氎ず激しく反応しお H 2 が生成され
たすが、也燥空気䞭では比范的安定しおいたす。
氎玠発生を䌎う液䜓 LiBH 4 の分解は、320∌380℃で始たりた
す10 気圧の H 2 圧力䞋では 470℃3。初期の研究では、分
解䞭に氎玠の 50だけが攟出され、未確認の盞の「LiBH 2 」
が圢成されたず報告されおいたす 18。その埌の研究で、LiBH 4
の分解により、倧気圧では氎玠党䜓の 80たで解攟され 24、
10 気圧の H 2 圧力では 75が解攟された 3 ず報告されおいた
す匏 7 
。しかし、ごく最近の発衚 25 では、
「LiBH 2 」ずおそ
らく他の䞭間䜓の圢成加熱速床が䜎い堎合が確認された
した。
LiBH4
LiH + B + 3/2 H2 (7)
氎玠化ホり玠ナトリりム NaBH4Aldrich 補品番号 480886;
452882; 452874; 452173; 452165 は、比范的反応性が䜎い
高融点505℃の固䜓です。その塩基性氎溶液は、加氎分解
に察しお安定しおいたす。
NaBH 4 の補造には、2 皮類のプロセスが商甚化されおいたす。
おそらく最も䟿利な方法は米囜で開発されたホり酞塩法で、
ホり酞メチルを鉱油䞭で氎玠化ナトリりムず反応させるもの
です匏 8 
。この反応は氎玠圧を必芁ずしたせんが、䞭間䜓
である Na[HB(OCH 3 ) 3 ] を溶融しお䞍均化するのに必芁な 250
∌280℃の枩床で発生したす。反応混合物を氎に溶解しおむ
゜プロピルアミンで抜出するず、二氎化物が埗られたす。こ
れを真空䞭で加熱しお脱溶媒和するず、玔粋な NaBH 4 を埗
るこずができたす。
4 NaH + B(OCH3)3
NaBH4 + 3 NaOCH3
(8)
Bayer が開発したホりケむ酞塩プロセス匏 9 はより安䟡な
ホり玠化合物を䜿甚したすが、高枩400∌500℃ず氎玠圧
を必芁ずしたす。NaBH 4 を単離するには、加圧しお液䜓 NH 3
で抜出する必芁がありたす。
(Na2B4O7 + 7 SiO2) + 16 Na + 8 H2
4 NaBH4 + 7 Na2SiO3
(9)
NaBH 4 は、接觊加氎分解による氎玠生成に䜿甚できる可胜性
があるため、これをホり酞塩 NaBO 2 から再生する研究が集
䞭的に行われおいたす。NaBH 4 を䜜補する 30 を超える反応
の熱力孊解析から、氎玠化カルシりムを䜿甚するこず匏
10 がこのための最も有望な手法であるこずが瀺されたし
た 26。
NaBO2 + 2 CaH2
NaBH4 + 2 CaO (10)
ベリリりムホり化氎玠 Be(BH4)2 は、党氎玠容量が最倧です
衚 1 
。これは、もずもず BeMe 2 ずゞボランずの反応によっ
お䜜補されたしたが 27、さらに簡䟿には BeCl 2 ずアルカリ金
属ホり化氎玠化合物のメカノケミストリヌ的亀換反応の埌、
140℃で真空蒞留したす 28。この共有結合化合物は、らせん
状の高分子鎖BeH 2 BH 2 BeH 2 BH 2 ず末端の二座 BH 4 基で構
成されおいたす 29。Be-BH 4 結合が持぀共有結合性のために、
Be(BH 4 ) 2 は揮発性が高く、したがっお反応性も非垞に高く
なっおいたす空気や湿気ず接觊するず爆発したす
。残念な
がら、ベリリりムは毒性が極めお匷く、Be(BH 4 ) 2 は反応性が
非垞に高いため、この材料は分解枩床ず ∆H f が䜎いにもかか
わらず、氎玠貯蔵には適しおいたせん。
テクニカルサポヌト Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail:sialjpts@sial.com
13
Mg(BH4)2
3 H2 + 2 B + MgH2 (amorph)
MgH2 (cryst)
Mg + H2 (11)
カルシりムホり化氎玠 Ca(BH4)2Aldrich 補品番号 389986;
21057 は、ゞボランず氎玠化カルシりム 34 たたはアルコキ
シド 35 の反応によっお䜜補されおきたしたが、ボヌルミル
内 10 たたは THF36 内での CaCl 2 ず NaBH 4 の間の亀換反応の
方が簡䟿な䜜補方法です。Ca(BH 4 ) 2 ·2THF 付加䜓の真空䞭で
の脱溶媒和は 190℃で容易に起こりたす 36。Ca(BH 4 ) 2 は、密
床が 1.12 g/cm3 の䞍揮発性固䜓です。この物質は也燥空気䞭
で完党に安定で、分解せずに氎に溶解したす。
非溶媒和の Ca(BH 4 ) 2 は、Ca2+ むオンが 6 個の四面䜓 BH 4 基
で囲たれ、各 BH 4 基は 3 個の Ca2+ むオンず接しおいるむオ
ン構造を持っおいたす 11。氎玠容量は比范的䜎いにもかかわ
らず、Ca(BH 4 ) 2 の䜓積氎玠密床は、その密床が高いために、
Mg(BH 4 ) 2 の䜓積氎玠密床ず同皋床です衚 1 
。Ca(BH 4 ) 2 の
分解は 360℃で始たりたすが、500℃でようやく完了し、匏
12 に埓っお 9.6の氎玠を攟出したす。これは生成熱の蚈算
倀に基づいお予枬されたした 11。
Ca(BH4)2
2/3 CaH2 + 1/3 CaB6 + 10/3 H2 (12)
溶媒がない圢態の亜鉛ホり化氎玠 Zn(BH4)2 は、ZnCl 2 ず
NaBH 4 を NaCl ずの混合物ずしおボヌルミル粉砕しお䜜補さ
れたした 12。DSC デヌタによるず、非溶媒和の Zn(BH 4 ) 2 は玄
95℃で溶融しお分解したす 12。分解によっお熱が吞収され、
ゞボランが圢成されたす匏 13 12。
Zn(BH4)2
Zn + B2H6 + H2 (13)
最初、アルミニりムホり化氎玠 Al(BH4)3 はトリメチルアルミ
ニりムずゞボランを反応させお䜜補されたしたが 18、AlCl 3 ず
NaBH 4 のメカノケミストリヌ的亀換反応のあず、冷华された
トラップ䞭に目的生成物を真空蒞留する方がはるかに実甚的
です 37。Al(BH 4 ) 3 は液䜓で融点−64℃
、その構造は䜎枩単
結晶 X 線回折によっお確認されたした 36。どちらの倉態盞
転移枩床は玄 180Kも同じような幟䜕孊的配眮、぀たり 3 個
の二座 BH 4 基によっおアルミニりム原子が囲たれ、AlH 2 B 面
が AlB 3 面ず垂盎である別々の分子ナニットで構成されおい
たす。
Al(BH 4 ) 3 の分解は 150℃で始たり、氎玠の存圚に圱響されな
い䞀次速床を持っおいたす 14。蚈算された生成熱は、れロ点
゚ネルギヌ補正を行った状態で−5.5 kJ/mol H 2 ず掚定された
す 13。
スカンゞりムホり化氎玠 Sc(BH4)3。スカンゞりムホり化氎玠
Sc(BH 4 ) 3 に぀いおは、驚くほどほずんど知られおいたせん。
溶媒和物の Sc(BH 4 ) 3 ·2THF や Sc(BH 4 ) 3 ·DME が知られおいたす
が、これらの錯䜓を脱溶媒和するこずはできたせん。ScCl 3
ず LiBH 4 をボヌルミル粉砕するず、ラマンスペクトルで 2200
∌2500 cm-1 の範囲の n(B-H) の振動を持぀アモルファス生成
物が埗られたす 15。この生成物の分解は 150℃より高い枩床
で始たり、玄 260℃で最倧になりたす 15。
チタンホり化氎玠 Ti(BH4)3 は、LiBH 4 ず TiCl 4 たたは TiCl 3
ずの反応によっお䜜補されフッ化チタン塩は反応したせ
ん
、䜎枩真空昇華によっお単離されたした。Ti(BH 4 ) 3 は、癜
色の揮発性固䜓です。気盞での電子回折は、䞉座の BH 4 基を
持぀単量䜓分子を瀺したした。その物理的特性に基づくず、
チタンホり化氎玠結晶内の結合は Al(BH 4 ) 3 の分子結晶ず類䌌
しおいるはずです。Ti(BH 4 ) 3 は熱的に䞍安定で、20℃で TiB 2 、
H 2 、および B 2 H 6 に分解したす 16。
39
40
マンガンホり化氎玠 Mn(BH4)2 は、゚ヌテルたたはアミンず
の溶媒和物ずしおのみ単離されたした。Mn(BH 4 ) 2 ·nL の脱溶
媒和を詊みた結果、分解されお配䜍子は砎壊されたした 41。
ゞルコニりムホり化氎玠 Zr(BH4)4 は、NaZrF 5 ず ZrCl 4 を
Al(BH 4 ) 3 ずアルカリ金属ホり化氎玠化合物ず組み合わせお䜿
甚するメカノケミストリヌ的合成によっお簡䟿に䜜補された
す 39。Zr(BH 4 ) 4 の分解によっお ZrB2.76-3.74 の組成を持぀固䜓が
䜜補されたす 17。この生成物の唯䞀の結晶盞は ZrB 2 なので、
残りはおそらく非晶質ホり玠です。出発原料ず生成物での B:
Zr 比の違いは、熱分解䞭にゞボランが攟出された可胜性を瀺
したす。
金属ホり化氎玠化合物の熱力孊的性質
脱氎玠化すなわち氎玠化の逆反応の熱は、氎玠貯蔵材料
の非垞に重芁なパラメヌタヌです。䜎䜍発熱量LHVの劥圓
な郚分ず、80∌120℃で劥圓な平衡氎玠圧を埗るために望た
しいのは、この倀が玄 40 kJ/mol H 2 であるこずです。金属ホ
り化氎玠化合物は長い歎史を持っおいるにもかかわらず、そ
の熱力孊的性質は公開文献の䞭でごくわずかのデヌタしか公
衚されおいたせん 8。非垞に反応性が高く揮発性を持぀化合
物の盎接的な熱量枬定は、極めお難しい課題です。そのため、
密床関数理論DFTを䜿甚した金属ホり化氎玠化合物の熱力
孊特性の蚈算が䞀般的な方法になりたした。このような蚈算
は、化合物の結晶構造が知られおいる氎玠原子の座暙を含
めお堎合にのみ実隓デヌタず良い盞関を瀺したす。暙準的
な生成゚ンタルピヌ反応 14 の逆ず脱氎玠゚ンタルピヌ∆
Hdesは、同じ絶察倀を持たない堎合があるのに泚意が必芁で
す。その理由は、M(BH 4 ) n の脱氎玠化ず、察応する金属の氎
玠化物たたはおよびホり化物の圢成が同時に起こるこずが
あるからです匏 7、12、および 14 を比范しおください
。
M(BH 4 ) n の分解゚ンタルピヌに぀いお、既知のデヌタを衚 1
に瀺したす。M(BH 4 ) n の生成熱ず金属の電気陰性床の間に盎
線関係があるこずが提唱されたした 15。脱離枩床ず ∆Hdes の
掚定倀の間にもほが線圢盞関がありたす 15。
M(BH4)n
M + nB + 2n H2
(14)
金属ホり化物の生成を䜿甚した金属ホり化氎玠化合物の䞍安
定化ずいう非垞に有望な抂念が、Vajo らによっお提唱された
した 5。この抂念は、安定なホり化物MgB 2 ,5 AlB 2 6 をおそ
らくリチりム合金Li 7 Sn 2 , Li0.3Mg0.7 4, 42 ず組み合わせお䜿甚
し、∆Hdes を効果的に䜎䞋させるこずに基づくものです匏
15∌17 
。その代わりに元玠ずしおのホり玠でホり化物を生
成するず、反応゚ンタルピヌが 10∌25 kJ/mol H 2 枛少する結
果、150∌250℃の分解枩床䜎䞋に぀ながりたす衚 1 
。分
解枩床をさらに䜎䞋させるために、Mg2+ などの陜むオンの
バルク䟛絊スケヌルアップのご盞談は 
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H2
貯蔵甚金属ホり化氎玠
マグネシりムホり化氎玠 Mg(BH4)2 は、50 幎以䞊前に初めお
報告されたした 30。PleÅ¡ek ず Heřmánek は、MgH 2 ずゞボラ
ンずの反応を甚いお、非溶媒和のマグネシりムホり化氎玠を
単離したした匏 1 31。Konoplev ず Bakulina は、MgCl 2 ず
NaBH 4 の亀換反応匏 6 によっお、非溶媒和の Mg(BH 4 ) 2 を
合成したこずを報告し、その 2 皮類の結晶倉態の X 線回折
XRDパタヌンを瀺したした 32。溶媒を䜿甚しない Mg(BH 4 ) 2
の合成ず特性に関する文献デヌタには矛盟があり、その構造
を予枬する詊みも食い違っおいたす。GE GRC の我々のグルヌ
プは、修正した亀換法を䜿甚しお、文献 32 で報告されたも
のずは異なる XRD パタヌンを持぀ Mg(BH 4 ) 2 の 2 ぀の結晶倉
態を䜜補したした。宀枩で安定な六方盞は 185℃で斜方晶盞
に転移したすが、これも宀枩で保存できたす 33。どちらの盞
も、䞭心の Mg 原子ず 4 ぀の BH 4 ナニットからなる、角を共
有する四面䜓の耇雑な網目構造を持っおいたす。Mg(BH 4 ) 2
の瀺差走査熱量枬定結果は、300℃ず 376℃の 2 ぀の吞熱ピヌ
ク、および 357℃の 1 ぀の発熱ピヌクを瀺しおいたすが、こ
れは Mg(BH 4 ) 2 の分解、アモルファス MgH 2 の結晶化、およ
び MgH 2 の元玠ぞの分解に察応させるこずができたす匏
11 33。Mg(BH 4 ) 2 の䞡方の盞の構造ず特性は別の堎所で発衚
いたしたす。
14
代わりに Li+ の代替を䜿甚するこずが提案されたした 43。こ
の考えは、Mg(NH 2 ) 2 に䌌た構造を持぀ LiNH 2 には有効でし
たが 44、結晶構造が異なるず有効ではないこずがありたす。
貯蔵甚金属ホり化氎玠
H2
2 LiBH4 + MgH2
2 LiBH4 + Al
2 LiH + MgB2 + 4 H2 7 LiBH4 + 1.75 Mg2Sn + 0.25 Sn
2 LiH + AlB2 + 3 H2 (15)
(16)
2 Li7Sn2 + 3.5 MgB2 + 14 H2 (17)
氎玠貯蔵材料ずしおの金属ホり化氎玠化合物
M(BH 4 ) n を氎玠貯蔵材料ずしお商甚化する前に、この材料の
化孊的性質に぀いお以䞋の倧きな課題を解決しなければなり
たせん。それは、脱氎玠枩床が高いこず、脱氎玠反応に可逆
性が欠劂しおいるこず、脱氎玠化ず氎玠化の速床が遅いこず、
脱氎玠䞭にゞボランが発生するこず、および最埌にホり化氎
玠のコストが高いこずです。これらの怜蚎事項ず氎玠含有量
を考慮するず、最も有望な氎玠貯蔵材料は、リチりム、マグ
ネシりム、カルシりム、およびこれらの配合物のホり化氎玠
化合物です。䞀芋するず、Ca(BH 4 ) 2 は質量氎玠貯蔵容量は䜎
くおも、䜓積容量は LiBH 4 より高く Mg(BH 4 ) 2 ず同皋床です
衚 1 
。
LiBH 4 をシリカ粉末ず混合3:1 するず、分解枩床が著しく
䜎䞋するこずが分かりたした 25。この堎合、氎玠攟出は
200℃で始たり、320℃幅のある脱離ピヌクず 453℃鋭
いピヌクに最倧倀を持぀ 2 段階で起こりたす。このような
觊媒䜜甚のメカニズムは、今のずころよく分かっおいたせん。
䞊に述べたずおり、ホり化物が圢成されお M(BH 4 ) n が䞍安定
になるため、分解点枩床は著しく䜎䞋したす。ずころが、芳
察される枩床䜎䞋は、熱力孊による予枬よりかなり䜎くなっ
おいたす衚 1 
。おそらく、金属ホり化物圢成の反応速床が
遅く、金属ホり化物ずホり玠元玠の䞡方を生成する経路が䞊
行しお脱氎玠化が起こっおいたす。
600∌700℃での氎玠ずホり玠および Li、Na、Mg、Ba の氎玠
化物ずの反応によるホり化氎玠の生成が、特蚱文献に蚘茉さ
れおいたす 21。LiH ずの反応には 150 bar H 2 が必芁ですが、
MgH 2 の堎合はさらに高い圧力800 barが必芁です。LiH ず
䞀緒に MgB 2B の代わりにを䜿甚するず、氎玠化の圧力ず
枩床がそれぞれ 100 bar ず 300℃に䜎䞋したす 5。MgB 2 ずナ
トリりムおよびカルシりムの氎玠化物ずの混合物を氎玠化す
るず、200 bar、300℃で NaBH 4 ず Ca(BH 4 ) 2 を合成できたす 4。
反応時間は、350 bar、400℃でもむしろ長く24 時間なり
たす。
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1765.
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
金属ホり化氎玠化合物の脱氎玠化氎玠化には、NaAlH 4 に
察するチタン觊媒 1 のような効果的な觊媒はただ発芋されお
いないこずに泚意しおくださいLiBH 4 に察するシリカを陀
く25。Mg(BH 4 ) 2 の分解を可逆的にするだけでなく、Li ず Ca
のホり化氎玠化合物の反応速床を改善するための今埌の取り
組みは、これらの反応での觊媒の開発に集䞭する必芁があり
たす。
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15
ホり玠をベヌスずする氎玠貯蔵甚途向け材料
名称
Lithium borohydride
Sodium borohydride
Calcium borohydride
bis(tetrahydrofuran) complex
Magnesium boride
氎玠含有量. 重量. 
特性
LiBH4
13.9
Decomposition temp. 470 °C
moisture sensitive, toxic
KBH4
7.4
NaBH4
10.6
Ca(BH4)2 · 2C4H8O
11.5 (unsolvated)
MgB2
玔床
補品番号
䟡栌円
.90
222356-1G
222356-10G
222356-50G
3,900
21,500
36,400
.95
62460-5G-F
62460-25G-F
15,700
52,100
98
P4129-100G
11,000
99.9
438472-5G
438472-25G
5,600
18,400
;98
455571-5G
455571-100G
455571-500G
4,300
12,700
40,500
;97.0
60080-25G
60080-100G
5,200
13,500
.98
452165-100G
17,600
452173-100G
452173-500G
12,400
36,900
98
452874-25G
452874-100G
452874-500G
6,300
13,900
37,400
;98.5
452882-25G
452882-100G
452882-500G
452882-2KG
2,700
5,700
14,500
49,400
99.99
480886-25G
480886-100G
14,100
39,000
Decomposition temp. 360 °C
(after desolvatation
at 190 °C in vacuum) soluble in
water without decomposition
.96
389986-1G
389986-5G
4,300
13,900
.98
21057-1G-F
21057-5G-F
7,600
25,000
Stable
Used as catalyst/additive
97
553913-5G
553913-25G
5,600
18,400
Decomposition temp. 500 °C
moisture sensitive, toxic
Decomposition temp. 595 °C
reacts with water stable in basic
aqueous solutions
詳现に぀いおは、sigma-aldrich.com/hydrogen をご芧ください。
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H2
貯蔵甚金属ホり化氎玠
Potassium borohydride
分子匏
16
氎玠貯蔵の研究開発での機械的凊理
貯蔵での機械的凊理
H2
Dr. Viktor P. Balema
Sigma-Aldrich Materials Science
はじめに
氎玠を固䜓氎玠化物、耇合材料、たたは有機金属構成組織
に貯蔵するこずは、自動車甚、携垯甚、その他の甚途で䟿利
か぀安党に䜿甚するすばらしい機䌚をもたらしたす。残念な
がら、珟圚、垂堎にあるどの材料も゚ンドナヌザヌのニヌズ
を満たしおいないため、氎玠貯蔵に関する研究開発ぞの関心
ず投資が拡倧し぀぀ありたす 1, 2。
本号党䜓を通じお、この分野の第䞀線の専門家が、氎玠貯蔵
の応甚に関する最新の実隓結果やアむデアに぀いお論じた
す。以䞋の蚘事は、これらの報告を補足し、基本および応甚
氎玠貯蔵の研究開発 2 に䞍可欠であるこずが瀺された実隓的
なアプロヌチ、すなわち高゚ネルギヌメカニカルミリングを
䜿甚した、氎玠を豊富に含む分子性およびむオン性物質の䜜
成ず改質を扱いたす。
金属氎玠化物に機械的に誘起された倉換
メカニカルミリングは、数癟幎にわたっお固䜓凊理に日垞的
に䜿甚されおきたしたが、その化孊的効果に぀いおの系統的
な研究が始たったのは、比范的最近のこずです 3。機械的合
金化たたはメカノケミストリヌずも呌ばれる、ミリングによ
る機械的凊理は 20 䞖玀終わりたでに成熟し、金属合金、セ
ラミックス、および耇合材料の䜜成に日垞的に䜿甚される実
隓手法になりたした 4。たた、金属氎玠化物など、氎玠を豊
富に含む固䜓の䜜成ず凊理にも䞍可欠になりたした 2, 4。
さらに、金属アルミニりムたたはホり玠氎玠系での倚く
の化孊反応は、実際には液盞を必芁ずせず、溶媒のない状態
でうたく起こるこずが明らかになりたした匏 1∌6 
。
MH + AlH3
MAlH4
(1)8,9
2MH + 2Al + 3 H2
MAlH4 + 2MH
M3AlH6 + 2AlH3
通垞、メカノケミストリヌ的な実隓は、グロヌブボックス内
の䞍掻性ガスの䞭で充填、取り出しが可胜な密封容噚図 1 
の䞭で遊星ミルたたは振動ミルを䜿甚しお行いたす。
M = Li, Na
TiCl3 + 3LiBH4
Ti(BH4)3 + 3LiCl
(5)14
UCl4 + 4LiBH4
U(BH4)4 + 4LiCl
(6)14
代衚的な手順では、玔粋な固䜓や混合物をミリング甚ビンに
充填し、所定の時間にわたっおボヌルミル粉砕を行いたす。
続いお、材料をビンから取り出し、X 線たたは䞭性子回折、
マゞック角回転固䜓栞磁気共鳎MAS NMR
、赀倖たたは玫
倖分光法、熱分析、その他の適切な固䜓分析技術を䜿甚しお
調査したす。金属氎玠化物 5, 6 やその他の固䜓䞭の化孊プロ
セスをモニタヌするのに、MAS NMR が特に有効であるこず
が最近分かったのは泚目に倀したす 7。
メカノケミストリヌ的手法は、アルカリ金属氎玠化アルミニ
りムやマグネシりム氎玠化物に Ti 塩をドヌピングする際に
圢成されるチタン化孊皮の同定にも圹立ちたした匏 7、
8 15-17。メカノケミストリヌ的研究のその他の成果は、宀枩
でメカニカルミリングしたずきに、LiAlH 4 が Ti 觊媒により分
解されるのが発芋されたこずです 18。
金属氎玠化物
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
図 1. 遊星ミル Pulverisette 5 / 4, Fritsch䞊およびシェヌカヌミル Spex
8000M䞋
画像はメヌカヌ提䟛による。
メカノケミストリヌ的な手法によっお、固䜓状態の金属氎玠
化物の䞭で生じる可胜性のある化孊プロセスを発芋できるよ
うになりたした。アルミニりムおよびホり玠ベヌスの氎玠化
物が固䜓状態にあるずきの化孊的性質は、溶液䞭での化孊的
性質ず同様にずおも豊かであるこずが分かりたした。たずえ
ば、アルカリ金属氎玠化アルミニりムを二成分のアルカリ金
属氎玠化物ず䞀緒にボヌルミル粉砕するず、ヘキサヒドロア
ルミナヌトアルミン酞六氎玠化物を簡䟿に䜜成できたす
が、これに湿匏化孊合成法を利甚するのはほずんど䞍可胜で
す。
nMAlH4 + TiCln
M = Li, Na; n = 3,4
MgH2 + TiCl3
2MAlH4
M3AlH6
3MAlH4
(2)10,11
(3)12,13
(4)8,9
nMCl + Al + TiAl3 + [TiH]x(traces) + H2 (7)15,16
MgCl2 + TiH2
(8)17
金属氎玠化物ずホり玠氎玠化物の固䜓状態での反応性に぀い
おの基瀎研究ず平行しお、二成分および耇合金属氎玠化物
匏 9∌12 のほか、非垞に毒性の匷いゞボランなどの䜎分
子量ガスの䜜成に溶媒を䜿わないメカノケミストリヌを䜿甚
しお、成功を収めおきたした匏 13 
。埌者は、アルカリ金
属ホり化氎玠や遷移金属塩が関䞎する、その他の機械的に誘
起されたプロセスの副生成物ずしお圢成するこずもできた
す 14その他の䟋に぀いおは、11 ペヌゞの G. Soloveichik 氏
の論文を参照しおください
。
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17
M + H2
MHx
(9)19
M = Mg, Ti, Zr, Nb x=1–2
MgCl2 + 3LiAlH4
3LiAlD4 + AlCl3
MgH2 + Co
2NaBH4 + SnCl2
LiMg(AlH4)3 + 2LiCl (10)20
4AlD3 + 3LiCl (11)21
MgCoH5
(C6H5)3P CH2R X
+
O
C R'
H
C C
R"
+
R'
(C6H5)3P O
"R
R'
H2
O
R C OH
O
C
C
O
+
H2N
R"
ball-milling
H
R' C N
O
O
2 (C6H5)3P
+
PtCl2
ball-milling (C6H5)3P
(C6H5)3P
Pt
Cl
Cl
ball-milling (C6H5)3P
+ K2CO3 - (C6H5)3P
KCl
R"
Pt
O
O
CO
図 3. 有機固䜓および有機金属固䜓の機械的に誘起された反応
これらの研究によっお、分子性およびむオン性固䜓䞭のメカ
ノケミストリヌ的反応は、枩床が原因ずなるプロセスではな
いこずが明らかになりたした。倚くの堎合、ミル粉砕䞭の材
料の枩床䞊昇は、融点や分解点をはるかに䞋回っおいた
す 24-26。さらに、垂販されおいる Spex タむプシェヌカヌミル
でのボヌルミル粉砕プロセスの理論解析から、枩床効果は䞭
皋床∌60℃であるこずが分かりたした。同じ研究によれ
ば、衝突する 2 個のボヌルに挟たれた固䜓内に生じる圧力は、
数 GPa27, 28 にも達するこずがあり、玔粋な超高圧で掻性化さ
れるプロセスが容易に起こりたす 29。
機械的に誘起された化孊反応の性質に぀いお、アントラセン
の光化孊的二量化からそのほかいく぀かの掞察が埗られたす
図 4 
。この反応は溶液䞭では容易に生じたすが、固䜓状態
では結晶内のアントラセン分子の向きが奜たしくないために
生じたせん。結晶質のアントラセンに最倧 10 GPa の高い静
氎圧を加えおも、光化孊反応は芳察されたせん。しかし、倖
圧ずせん断応力を組み合わせるず、光化孊反応が起こるよう
になりたす。おそらく、高圧ずせん断応力を組み合わせるこ
ずで、分子間の距離が瞮たるだけでなく固䜓䞭の分子の向き
が倉わっお反応が起こるようになりたす 30, 31。
hv
Solution
図 2. ボヌルミル内で衝突するボヌルの間に挟たれた材料の倉化
したがっお、メカニカルミリングの物理化孊的な成果には、
結晶性の砎壊、新たな衚面の生成、物質移動混合などが
ありたす。
ボヌルミル粉砕によっお氎玠に察する金属の反応性が高めら
れる䞻な芁因は、新たな衚面が絶え間なく圢成されたり物質
が移動したりするこずです。
匏 9 
。同時に、先ほど論じた
固䜓察固䜓の反応や図 3 に瀺す他の分子性たたはむオン性固
䜓での倉換の原因は、これらの成果のみではあり埗たせ
ん 24-26。
hv
Solid State
Shear stress
hv
Solid State
No Reaction
図 4. アントラセンの光化孊的二量化
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貯蔵での機械的凊理
R
メカノケミストリヌ的反応のメカニズム
これたでの段萜をざっずお読みいただくだけでも、スチヌル
たたはセラミック補ボヌルの間に挟たれ、密封されたビンの
䞭で衝突する結晶性固䜓に生じる可胜性のある固䜓状態のプ
ロセスが極めお倚様性に富み、耇雑であるこずが十分実感い
ただけたかず思いたす。実際、高゚ネルギヌボヌルミル粉砕
によっお、亀裂、埮现孔、転䜍、空孔、新たな衚面、グレむン、
双晶境界、その他倚皮倚様な欠陥が生じたす。長時間にわ
たっおミル粉砕するず、材料の結晶性が砎壊されお、党䜓的
たたは郚分的にアモルファス化するこずもありたす 23。機械
的応力の䞋で結晶性固䜓物質が倉化する堎合は匟性倉圢から
始たりたすが、これは負荷が取り陀かれるず消滅したす。ず
ころが、負荷が増加するず匟性倉圢は䞍可逆的な塑性倉圢に
倉わり、その埌、材料の砎砕およびたたはアモルファス化
が生じたす。材料衚面に盎亀する垂盎応力䞋で発生する脆性
砎砕ずは察照的に、通垞、塑性倉圢は衚面に平行なせん断応
力の䞋で発生したす。
図 2 
。
R
ball-milling
(13)14
金属合金、アミド、窒化物、およびナノ材料が関䞎するその
他倚くの機械的に誘起された倉換が、過去 10 幎間に数倚く
発衚されたした。本号は玙幅が限られおいるため、それらに
぀いおは別の機䌚に論じるこずにしたす。
- KHCO3 KX
K2CO3
(12)22
2NaCl + Sn + 2H2 + B2H4
R
(C6H5)3P C
H
ball-milling
18
貯蔵での機械的凊理
H2
結論ずしお、メカノケミストリヌは新芏材料の䜜成だけでな
く、溶液を䜿わない状態で固䜓内に生じ埗る化孊倉換の研究
にも極めお有甚なツヌルであるこずが刀明したした。メカノ
ケミストリヌ的珟象の正確なメカニズムは個別に決定する必
芁がありたすが、固䜓䞭のメカノケミストリヌ的プロセスは、
䞻ずしおミル粉砕䞭に材料内に発生する構造の倉化ず高い圧
力によっお起こるず考えられたす。結晶構造、栌子゚ネル
ギヌ、および化孊反応性によっお、そのようなプロセスが生
じるのに必芁な゚ネルギヌ入力の倧きさが決たりたす。
参考文献
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K. W. J. Alloys Compds. 2000, 313, 69. (14) Volkov, V. V.; Myakishev, K. G.
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(16) Herberg, J. L.; Maxwell, R. S.; Majzoub, E. H. J. Alloys Compds. 2005,
氎玠貯蔵甚途向け研究キット
シグマ アルドリッチは、研究スケヌルでの実隓の蚭蚈を支揎するために、氎玠貯蔵甚途向け補品を集めおグルヌプ化したした。
これらの「バヌチャルキット」は、グルヌプ特䟡で提䟛されたす。泚文は、指定されたキット番号で補品グルヌプを芁求する
だけの簡単なものです。これらの各「バヌチャルキット」に割り圓おられたコンポヌネントは、別々のナニットずしお配送され
るこずにご泚意ください。* これらのコンポヌネントは、必芁に応じお補品番号によっお別々に泚文するこずもできたす。
研究甚氎玠貯蔵材料 ̶ 686093-1KT*98,800 円
以䞋に挙げた研究甚氎玠貯蔵材料は、10 g 単䜍で提䟛されたす。氎玠含有量、XRD プロット、および金属玔床のデヌタが、
すべおのコンポヌネントに぀いお甚意されおいたす。
分子匏
氎玠含有量重量
玔床
LiNH2
8.7
.95
686050-10G
4,200
Sodium amide
NaNH2
5.1
.95
686042-10G
4,300
.95
399558-10G
8,800
.97
686034-10G
4,200
8,400
Lithium nitride
Li3N
補品番号
䟡栌円
名称
Lithium amide
Lithium aluminum hydride
LiAlH4
10.5
Sodium aluminum hydride
NaAlH4
7.4
.97
685984-10G
Lithium hydride
LiH
12.6
.95
201049-10G
8,200
Sodium hydride
NaH
4.1
.95
223441-10G
5,600
Calcium hydride
CaH2
4.7
.95
213322-10G
4,000
Lithium borohydride
LiBH4
13.9
.95
686026-10G
21,100
Sodium borohydride
NaBH4
10.6
.95
686018-10G
8,700
H3N–BH3
19.5
.95
287717-10G
25,500
MgH2
7.6
98
683043-10G
6,800
Borane-ammonia complex
Magnesium hydride
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
氎玠貯蔵研究甚觊媒 ̶ 686107-1KT*44,200 円
以䞋に挙げた氎玠貯蔵研究甚觊媒は、1 g 単䜍で提䟛されたす。XRD および金属玔床のデヌタが、すべおのコンポヌネントに
぀いお甚意されおいたす。
氎玠含有量重量
玔床
補品番号
䟡栌円
名称
分子匏
Niobium(V) oxide
Nb2O5
99
208515-1G
4,200
Titanium(III) chloride
TiCl3
99
686085-1G
6,500
Titanium(II) hydride
TiH2
4.0
98
686069-1G
4,300
Zirconium(II) hydride
ZrH2
2.1
99
208558-1G
4,100
Vanadium(III) chloride
VCl3
97
208272-1G
4,200
Scandium(III) chloride
ScCl3
99
686077-1G
26,300
これらの材料および関連する他の材料に぀いお詳现は、sigma-aldrich.com/hydrogen をご芧ください。
* 補品は、単䞀パッケヌゞでは出荷されたせん。
テクニカルサポヌト Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail:sialjpts@sial.com
19
空気に反応しやすい金属氎玠化物に察する保護コヌティングのナノアヌキテクチャヌ
倚局自己組織化
はじめに
氎玠貯蔵材料は、氎玠むオン亀換膜燃料電池の゚ネルギヌ源
ずしお䜿甚される、H 2 ガスの安党な車茉貯蔵手段ず考えら
れおいたす。氎玠の貯蔵には 1、アルミニりム容噚内での高
圧貯蔵 2、金属氎玠化物ぞの化孊吞着 3、炭玠ベヌス材料ぞの
物理吞着など、様々な方法がありたす 4。金属氎玠化物は、
H 2 ガスを閉じ蟌める担䜓ずしお䜓積が小さく、穏やかな条
件䞋で H 2 を脱離する点で有望なため、最も実珟可胜性の高
い方法の 1 ぀ず考えられおいたす。
金属氎玠化物は、栌子に氎玠アニオンH-を含む 1 皮以䞊
の金属からなる化合物です。合成できる金属氎玠化物は膚倧
な数に䞊りたすが、倧きな関心が持たれおいるのはより軜い
金属氎玠化物です氎玠の重量は、金属氎玠化物の分子量
が枛少するに぀れお増加したす
。これらの軜金属氎玠化物
の䞭で、氎玠化アルミニりムナトリりムNaAlH 4 , Aldrich 補
品番号 357472 
、氎玠化アルミニりムリチりムLiAlH 4 ,
Aldrich 補品番号 199877 
、氎玠化リチりムLiH, Aldrich 補品
番号 201049 
、および氎玠化ナトリりムNaH Aldrich 補品番
号 223441 は、倧きな氎玠の質量貯蔵容量を持ちたすが、
空気䞭や倚湿環境での反応性も高くなっおいたす 5。
筆者らの研究は、金属氎玠化物を空気や湿気から保護するず
同時に氎玠ガスを攟出できる、半透明の「スマヌトな」ナノ
薄膜の開発によっお、氎玠゚ネルギヌ経枈に匷い圱響を及が
したす。次䞖代のこのような膜は、觊媒を氎玠化物粒子の衚
面に制埡しながら攟出するための觊媒金属を埋め蟌んだもの
になる可胜性がありたす。この觊媒金属は、脱氎玠化反応を
促進するこずが知られおいたす 6。筆者らが䜿甚した金属氎
玠化物を封入するためのナノ薄膜は、倚局静電気自己組織膜
です。
倚局薄膜は、それぞれが厚さ玄 2 nm の高分子電解質局から
なりたす 7, 8。倚局自己組織化手法を䜿甚しお、平面䞊および
コロむド粒子にコンフォヌマルな倚局ナノ薄膜を堆積できた
す。膜は、コヌティングされる衚面に存圚するポリカチオン
ずポリアニオン間のクヌロン匕力によっお成長できたす。代
衚的な自己組織化の䜜動媒䜓は、氎、たたはアセトンず氎の
混合物です 9。ずころが、氎ず反応しやすい金属氎玠化物を
コヌティングするための溶媒ずしお氎を䜿甚するこずはでき
たせん。金属氎玠化物には、膜の自己組織化のための溶媒ず
しお玔粋なホルムアミドを䜿甚したした 10。
図 1. 氎玠化アルミニりムナトリりム䞊の高分子膜の成長
それぞれにさらしたそれぞれの膜局が堆積した埌、遠心分
離によっお粒子を懞濁液から取り陀き、ホルムアミド䞭で 15
分間すすぎたした。それぞれの高分子電解質にさらしおホル
ムアミドですすいだ埌、れヌタ電䜍Zetaplus、BICを枬定
しお衚面電荷が亀互に倉化するこずを芳察したした。図 2 に、
䜿甚した倚局自己組織化アプロヌチの凊理ステップを暡匏的
に瀺したす。2 局の PSS ず PAH の二重局合蚈 4 局が氎玠
化アルミニりムナトリりム粒子衚面䞊に堆積されるたで、こ
の凊理ステップを繰り返したした。
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金属氎玠化物の
保護甚ナノコヌティング
Dr. Tabbetha Dobbins, Vimal Kamineni, and Dr. Yuri Lvov
Institute for Micromanufacturing, Louisiana Tech University
ナノ薄膜の倚局静電気自己組織化コヌティングは、ホルムア
ミドを䜜動媒䜓ずしお䜿甚し、氎玠化アルミニりムナトリり
ム粉末䞊に行いたした。ポリアニオンは、スルホン化ポリス
チレン [(PSS) (MW 70,000) (Aldrich 補品番号 243051)] であり、
ポリカチオンは、ポリアリルアミン塩酞塩 [(PAH) (MW 15000)
(Aldrich 補品番号 283223)] です。図 1 に、氎玠化アルミニり
ムナトリりム䞊の倚局自己組織化 PSS および PAH 膜を暡匏
的に瀺したす。コロむド状氎玠化アルミニりムナトリりムに
堆積させる堎合は、粉末を 20 mg/mL の濃床でホルムアミド
䞭に懞濁させたした。自己組織化には、2 mg/mL の濃床の
PSS および PAH を以䞋の方法でコロむド状懞濁液に加えたし
た。ホルムアミド䞭の被芆されおいない氎玠化アルミニりム
ナトリりムの衚面電荷は、プラスです。そこで、ホルムアミ
ド懞濁液に含たれた氎玠化アルミニりムナトリりム粒子を最
初に 15 分間ポリアニオンPSSにさらし、次にポリカチオ
ンPAHに 15 分間さらしたした。
20
氎玠化物の保護膜
金属氎玠化物の
保護甚ナノコヌティング
図 2. 氎玠化アルミニりムナトリりム䞊ぞの「スマヌトな」ナノ薄膜コヌ
ティング凊理
倚局自己組織化䞭に、亀互に垯電した高分子電解質がうたく
コロむド粒子衚面に積局したこずを瀺す 1 ぀の重芁な指暙
は、れヌタ電䜍枬定Zetaplus、BICを䜿甚しお埗られる衚
面電荷の亀互倉化枬定倀です。図 3 に、それぞれの高分子電
解質局が氎玠化アルミニりムナトリりム䞊に堆積した埌のこ
の衚面電荷の反転を瀺したす。筆者らのプロセスでは、ホル
ムアミドですすぐステップの埌で衚面電荷を枬定したした。
PSS はポリアニオンであり、最初の積局の埌に埗られるれヌ
タ電䜍の読み取り倀は−60 mV です。PAH はポリカチオンで
あり、最初の積局の埌に埗られるれヌタ電䜍の読み取り倀は
+16 mV です。PSS の埌に PAH が続く 2 番目の二重局の衚面
電荷の読み取り倀は、それぞれ−75 mV ず +16 mV です。
2 局の PSS/PAH 二重局を持぀氎玠化アルミニりムナトリりム
粒子を泚意しお也燥させ、゚ネルギヌ分散分光法EDS機胜
を備えた FESEM を甚いお撮像したした。図 4巊の SEM 画
像は、PSS/PAH のオヌバヌレむ膜を持぀ 1 個の氎玠化アルミ
ニりムナトリりム粒子を瀺しおいたす。炭玠の゚ネルギヌ分
散 X 線マッピング図 4、右は、氎玠化アルミニりムナト
リりム粒子を芆う高分子膜のコンフォヌマルな被芆を瀺しお
いたす。氎玠化アルミニりムナトリりム粒子ずホルムアミド
䜜動溶媒の間に反応が生じなかったこずを確認するために、
被芆されおいない氎玠化アルミニりムナトリりム粒子をホル
ムアミドに 24 時間浞挬した埌、X 線回折XRDを枬定した
した。図 5 は、NaAlH 4 の結晶孊的ピヌクが NaAlH 4 ず䞀臎し
おいるこずを明確に瀺しおいたす赀色マヌカヌで衚瀺
。
2u=28 未満で芋られる小さなピヌクは、XRD 枬定䞭に氎玠
化アルミニりムナトリりムを保護するのに䜿甚したカプトン
テヌプによるものです。
図 4. 氎玠化アルミニりムナトリりムぞの炭玠ナノ薄膜よりの SEM お
よび X 線マッピング
倚局自己組織化手法のその他の特城は、平面やコロむド粒子
衚面䞊に堆積される可胜性のある、様々な高分子電解質局の
合蚈厚さを制埡する䞊での倚様性です。シリカやチタニアの
無機質クレヌ薄片ずナノ粒子も、倚局自己組織化を利甚しお
コロむド粒子䞊に堆積できる可胜性がありたす。著者らの研
究では、保護特性を持぀ず同時に、空気や湿気がそれらず反
応しやすい金属氎玠化物ず盞互䜜甚するのを防ぐ胜力を持぀
膜を開発するために、倚局手法の倚様性を探求し、それに
よっお、これらの材料の補品寿呜を延長したす。
40
図 5. 䜜動溶媒であるホルムアミドに 24 時間浞挬した埌の NaAlH 4 の X 線
回折
z-Potential (mV)
20
0
NaAlH4
PSS
PAH
PSS
PAH
-20
-40
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
-60
-80
図 3. PSS および PAH の䞊塗り膜2 局の高分子二重局を持぀氎玠化アル
ミニりムナトリりムのれヌタ電䜍枬定結果
このように、反応性が高く腐食しやすい氎玠化物をスマヌト
な高分子電解質膜の䞭に封入しお、空気や湿気から保護でき
たす。図 6a は、PSS および PAH 膜が完党か぀均等に被芆さ
れおいるこずを明確に瀺しおいたす氎性䜜動溶媒から平面
䞊に堆積
。この膜には、ほこり粒子が混入したこずによる
衚面欠陥がありたすが、これは 1 ミクロン未満の粒子をろ過
しお溶媒から陀去できたす。H 2 、O 2 、および H 2 O ガスに察
する PSS および PAH 膜の安定性ず透過性を詊隓する研究を
進めおおり、暫定的に埗られた結果は期埅の持おるもので
す。
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21
ナノ粒子コヌティング
将来の展望
玔粋な有機高分子膜は、それほど密に充填されないこずがあ
るため、空気を透過しない膜を圢成するための代替ずしお、
無機質粒子をオヌバヌレむ膜の䞭に導入する案がありたす。
コロむド粒子を芆う透過性の䜎い膜を、モンモリロナむトク
レヌの薄片や TiO 2 ず SiO 2 の無機質ナノ粒子などのナノ材料
から䜜補できる可胜性がありたす。
図 7. 盎埄 250 nm のラテックス粒子の被芆されおいない状態巊ず、
40 nm のシリカ粒子シェルで被芆された状態PAH/PSS/PAH/ シリカ
右
クレヌコヌティング
厚さ 1 nm、断面 500 nm のモンモリロナむトクレヌ薄片を䜿
甚しお、空気や湿気に敏感な金属氎玠化物をコヌティングす
るこずができたす。図 6b に、ポリカチオンPAHず亀互に
積局しお、Si 担䜓䞊に 3.2 nm の二重局を圢成したモンモリ
ロナむト衚面電荷はマむナスを瀺したす 11, 12。モンモリロ
ナむトのクレヌ薄片を䜿甚しお、非垞に密な有機−無機倚局
網目構造を構築できたす。このようなクレヌ /PAH 膜図 6b
は、PSS/PAH 膜図 6aず比范しお、衚面欠陥がないように
芋えたす。これらの倚局膜の内郚構造は玙匵子に䌌おおり、
気䜓は充填䞊の欠陥によっおできた埮现孔を通っお透過する
こずによっおのみ拡散したす。䞀般に、そのような倚局構造
は有機膜よりはるかに䜎い透過性を持ちたす。自己組織化条
件を様々に倉えるこずによっお、充填欠陥を制埡しお透過性
を調敎できる芋蟌みがありたす。
参考文献
(1) Zuttel, A. Materials Today 2003, 6, 24. (2) Fichtner, M. Advanced
Engineering Materials 2005, 7, 443. (3) Sandrock, G. D.; Snape, E. ACS
Symposium Series 1980, 293. (4) Meregalli, V.; Parrinello, M. Applied Physics
A: Materials Science and Processing, 2001, 72, 143. (5) Gross, K. G-CEP
Hydrogen Workshop, April 14–15, 2003. http://gcep.stanford.edu/events/
workshops_hydrogen_04_03.html (accessed Feb. 23, 2007). (6) Bogdanovič,
B.; Schwickardi, M. Journal of Alloys and Compounds 1997, 253, 1.
(7) Lvov, Y.; Ariga, K.; Onda, M.; Ichinose, I.; Kunitake, T. Colloids and
Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects 1999, 146, 337.
(8) Decher, G. Science 1997, 227, 1232. (9) Kuila, D.; Tien, M.; Lvov, Y.;
McShane, M.; Aithal, R.; Singh, S.; Potluri, A.; Kaul, S.; Patel, D.; Krishna,
G. Proceedings of SPIE – The International Society for Optical Engineering
2004, 5593, 267. (10) Kamineni, V.; Lvov, Y. M.; Dobbins, T. A. Langmuir
Submitted. (11) Lvov, Y.; Ariga, K.; Ichinose, I.; Kunitake, T. Langmuir 1996,
12, 3038. (12) Tang, Z.; Kotov, N. A.; Magonov, S.; Ozturk, B. Nature
Materials 2003, 2, 413. (13) Lu, Z.; Prouty, M. D.; Quo, Z.; Golub, V. O.;
Kumar, C.S.S.R.; Lvov, Y. M. Langmuir, 2005, 21, 2042.
謝蟞
本研究は、党米科孊財団の材料研究郚門契玄番号DMR0508560 より揎助を受けたした。
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金属氎玠化物の
保護甚ナノコヌティング
図 6.a銀 QCM 䞊のPSS/PAH6 倚局構造bPAH ず亀互に積局したモ
ンモリロナむトクレヌ
氎ず反応しやすい金属氎玠化物を、無機質のナノ粒子ず有機
高分子膜で亀互にコヌティングするこずもできたす。図 7 は、
250 nm のコロむド状ラテックス粒子ず 40 nm のシリカ粒子
が PSS/PAH で亀互に組織化したコヌティングを明瀺しおいた
す 13。コヌテむングされおいないコロむド状ラテックス粒子
ず、シリカをコヌティングしたラテックス粒子を図 7 に瀺し
たす。このような膜が持぀保護特性は、ニフェゞピンを光化
孊反応に察しお安定化させる、同じような構造を持぀膜の胜
力によっお実蚌されたす。
22
氎玠貯蔵甚途向け金属氎玠化物
名称
Calcium hydride
金属氎玠化物の
保護甚ナノコヌティング
Lithium hydride
Lithium aluminum hydride
Sodium aluminum hydride
補品番号
䟡栌円
分子匏
氎玠含有量重量
特性
玔床
CaH2
4.7
Decomposition temp. ~600 °C
moisture sensitive
99.99
497355-2G
497355-10G
23,700
18,300
99.9
558257-10G
15,300
95
213322-100G
213322-500G
9,600
33,600
LiH
12.6
Decomposition temp. 720 °C
moisture sensitive
95
201049-5G
201049-100G
201049-500G
4,700
15,700
51,000
LiAlH4
10.5
Decomposition temp.:
150–175 °C (step 1)
180–224 °C (step 2)
. 400 °C (step 3)
extremely moisture sensitive
95
199877-10G
199877-25G
199877-100G
199877-1KG
2,900
4,700
11,100
61,400
>97
62420-10G-F
62420-50G-F
62420-250G-F
5,900
15,900
56,500
NaAlH4
7.4
Decomposition temp.:
210–250 °C (step 1)
250–300 °C (step 2)
. 400 °C (step 3)
extremely moisture sensitive
97
685984-10G
8,400
.90
357472-25G
12,200
Sodium hydride
NaH
4.1
Decomposition temp. 800 °C
moisture sensitive
95
223441-10G
223441-50G
223441-250G
223441-1KG
5,600
11,600
44,000
141,200
Titanium(II) hydride
TiH2
4.0
Decomposition temp.
450–550 °C (step 1)
550–650 °C (step 2)
98
209279-100G
209279-500G
10,000
46,100
Zirconium(II) hydride
ZrH2
2.1
Decomposition temp. 600 °C
99
208558-100G
13,600
特性
玔床
窒玠をベヌスずする氎玠貯蔵甚途向け材料
名称
分子匏
氎玠含有量重量
NH3
17.6
Lithium amide
LiNH2
8.7
Sodium amide
NaNH2
5.1
Ammonia
補品番号
294993-170G
囜内販売なし
Decomp. to Li2NH .350 °C
moisture sensitive
95
213217-5G
213217-100G
213217-500G
4,800
8,900
31,100
Decomp. 500 °C
moisture sensitive
95
71260-100G
5,900
95
432504-25G
432504-100G
432504-500G
3,100
5,700
10,100
.90
208329-50G
208329-250G
3,900
5,200
AlN
Moisture sensitive
.98
241903-50G
241903-250G
4,900
17,700
Calcium nitride
Ca3N2
Air/moisture sensitive
95
415103-25G
415103-100G
8,100
22,700
Lithium nitride
Li3N
Can be hydrogenated to
Li2NH and LiNH2
95
399558-5G
399558-25G
5,300
18,800
Mg3N2
Air/moisture sensitive
.99.5
415111-10G
415111-50G
5,300
17,100
Aluminum nitride
Magnesium nitride
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23
HYDRNOL ™ の玹介氎玠の有機液䜓貯蔵
氎玠貯蔵のための液䜓燃料
Dr. Esmaeel D. Naeemi, Dr. Dan Graham, and Barton F. Norton
Asemblon, Inc.
はじめに
氎玠経枈ず、燃料をきれいに燃やす内燃機関や高効率燃料電
池を積んだ乗甚車やトラックでの氎玠経枈の展望に぀いお倚
くの議論が行われおきたした。カリフォルニア 1-3、アむスラ
ンド 4-6、およびノルりェヌ 7-9 はすべお、未来の自動車が氎
玠燃料䟛絊所を利甚できる氎玠ハむりェヌを公玄しおいた
す。
ガ゜リンずは異なり、氎玠は宇宙に豊富に存圚し、再生可胜
な゚ネルギヌ源から生成できたす。ずころが、氎玠は宇宙で
最も軜い元玠で密床が䜎いため、重くかさばる装眮を䜿甚せ
ずに貯蔵したり茞送したりするこずは困難です。これこそ、
氎玠の貯蔵ず茞送が、氎玠経枈を確立する䞊で最倧の課題で
あるず認識されおきた理由です。
この未来を珟実のものにするには、倚くの䞻な問題に察凊し
なければなりたせん。すなわち、安䟡な氎玠䟛絊源を芋぀け
るこず、燃料電池技術を胜力面で向䞊させコストを䜎枛させ
るこず、および氎玠を効率的に貯蔵したり茞送したりする方
法を開発するこずです。氎玠燃料の貯蔵ず配送に珟圚利甚で
きる手段には、ずりわけ圧瞮氎玠、液化氎玠、金属氎玠化物
による物理的貯蔵、氎玠化物による化孊的貯蔵 10-11、ナノ
チュヌブ貯蔵 12-13 などがありたす。圧瞮および液化による貯
蔵は、䞻ずしおコストによる限界がありたす。氎玠を圧瞮す
るのに必芁な方法のほか、圧瞮液化氎玠の貯蔵に必芁な倧
型の重いタンクのためにコストが倧幅に増加したす。さらに、
これらのタンクを動く自動車に搭茉した堎合、爆発の危険が
ありたす。金属氎玠化物による氎玠化物貯蔵は有望ですが、
珟状の方法はただ重く高䟡です 14。
もう䞀぀の代替案は、氎玠を有機分子の䞭に共有結合により
貯蔵する方法です。氎玠ガスを担䜓䞭に物理的に閉じこめる
方法ず比范しお、氎玠を分子の䞀郚ずしお共有結合により貯
蔵する方法の利点は、システムに圧瞮たたは極䜎枩が䞍芁な
こずです。理想的な解決策は、液䜓担䜓の開発であるず考え
られたす。そのような氎玠甚の液䜓担䜓によっお、むンフラ
ストラクチャヌを倉曎する必芁性は最小になり、倧型専甚貯
蔵容噚の必芁はなくなるでしょう。さらに、䞖界䞭の誰もが
液䜓燃料の取り扱いには慣れおおり、新しいタむプの液䜓燃
料を採甚するのは、燃料業界内のむンフラストラクチャヌず
瀟䌚を倧きく倉化させるより、はるかに容易ず思われたす。
図 1. HYDRNOL ™ は、氎玠攟出モゞュヌルおよび氎玠化モゞュヌルずずも
に、Asemblon システムの䞭栞である特蚱で保護されたプロセスを䜿甚し
たす。
1 液䜓燃料 HYDRNOL ™
HYDRNOL ™ は、宀枩、倧気圧で液䜓である炭化氎玠ベヌス
の有機分子です。これは、パむプラむン、はしけ、タンカヌ、
トラックずいった確立されたむンフラストラクチャヌを䜿甚
しお配送できたす。この分子は、埓来のガ゜リンスタンドに
わずかな倉曎を加えるこずで貯蔵したりポンプで汲み䞊げた
りできたす。
この燃料は、様々な初期䟛絊原料、぀たり䜎硫黄原油や高硫
黄原油およびバむオマスから埗た゚タノヌルを含むアルコヌ
ル類から補造できたす。゚タノヌルはこの燃料の第 1 の䟛絊
源になる可胜性があり、掚定増加コストぱタノヌル補造蚭
備のコストのわずか 10で枈みたす。
氎玠を攟出した埌、消費された燃料は、再氎玠化によっおリ
サむクルし元の分子に戻すこずができたす。この燃料は、䜿
甚䞭に車茉たたは固定堎所にある二槜型dual-bladder気䜓
タンクに保存したす。
2 氎玠攟出モゞュヌル
燃料は氎玠攟出モゞュヌルHRMの内郚で高枩の高衚面積
觊媒ず接觊し、燃料から氎玠を盎ちに攟出しお脱氎玠化され
た有機液䜓DOLを生成したす。HRM を成功させる鍵は、
觊媒の高衚面積ず安定性です。Asemblon 瀟は、この操䜜に
適した觊媒を発芋しお特蚱を取埗したした。Asemblon 瀟は、
高衚面積を実珟するために、マむクロチャネル、倚孔質担䜓
䞊に埋め蟌たれたナノサむズの觊媒で䜜られた充おん局、お
よびナノスプリングからなる、いく぀かのプロトタむプを開
発したした。図 2 に、これらのモゞュヌルの 1 ぀を瀺したす。
* この論文は、氎玠の貯蔵ず茞送の新しい有望な代替案、す
なわち有機液䜓担䜓䞭に共有結合で貯蔵し、加熱した觊媒ず
の盞互䜜甚によっお攟出する氎玠を扱っおいたす。
* 他の論文は、有機分子䞭に氎玠を貯蔵するのにカルバゟヌル 15 を䜿甚す
るこずを提案しおいたす。
図 2. Asemblon の氎玠攟出モゞュヌル
バルク䟛絊スケヌルアップのご盞談は 
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氎玠の有機液䜓貯蔵
Asemblon 瀟は、氎玠貯蔵のための独自システムを開発した
した。Asemblon 瀟は、初の米囜特蚱をたもなく取埗したす。
2007 幎珟圚Asemblon システムは、図 1 に抂略を瀺す 4
぀のコンポヌネントで構成されたす。
24
3 䜿甚枈み燃料回収モゞュヌル
氎玠の有機液䜓貯蔵
氎玠を攟出した埌、DOL ず氎玠は䜿甚枈み燃料回収モゞュヌ
ルに入りたす。氎玠ガスず DOL は、物理的特性の違いによっ
お容易に分離されたす。氎玠ガスは、必芁があれば膜を通過
させおさらに粟補できたす。その埌、分離された氎玠を内燃
機関、タヌビン、たたは燃料電池に導いおその動力源にする
こずができたす。䜿甚枈み燃料回収モゞュヌルから出た DOL
は二槜型気䜓タンクに導かれ、遠隔地にある斜蚭で接觊氎玠
化するために取り出しお茞送できるたで、その䞭に貯蔵され
たす。
4 氎玠化モゞュヌル
氎玠化モゞュヌルの䞭で、氎玠が DOL に加えられお元の燃
料に再生されたす。接觊氎玠化の技術ず化孊はよく知られお
いたす。Asemblon 瀟は、高い収量で再氎玠化するのに最良
の觊媒ずその最適条件を芋぀けるために、この分野の専門家
ず共同で研究を続けおいたす。
Asemblon 瀟システムの「燃料採掘から消費たでwell-towheels
」の芋積もりを図 3 に瀺したす。この「燃料採掘から
消費たで」の芋積もりは、HYDRNOL ™ 燃料を生成しおから䜿
甚するたでの䞻な゚ネルギヌ入力ず出力を考慮しお行われた
した。図 3 のデヌタは、氎玠を内燃機関で䜿甚するこずを前
提ずしたもので、総合効率は 25を瀺しおいたす。これは、
ガ゜リンの掚定効率14よりかなり高い倀です 16。燃料
電池を䜿甚すれば、効率はさらに向䞊するず考えられた
す 17。
車茉氎玠貯蔵システムの比范
図 4 のグラフは、4 皮類の車茉氎玠貯蔵技術を比范したもの
です。HYDRNOL ™ は、圧瞮氎玠、液䜓氎玠、および金属氎
玠化物に貯蔵された氎玠ず比べお、䜓積、重量、およびコス
トの点で優れおいたす。
コスト芁玠に含たれおいないものは、圧瞮氎玠および液䜓氎
玠の茞送ず貯蔵に関連する、はるかに高いむンフラストラク
チャヌのコストです。液䜓氎玠の補絊は朜圚的に危険である
ず考えられおいるため、高䟡な泚入ロボットが蚭蚈され、消
費者が車に燃料を補絊する必芁をなくしたした。
氎蒞気メタン改質による氎玠の生成は比范的安䟡です。珟圚、
1 kg の氎玠の䟡栌は 1.20 ドルです。
1 kg の H 2 は 1 ガロン
3.79
リットルのガ゜リンに盞圓したす2007 幎
。氎玠を貯蔵し
お茞送するためのコストは、氎玠自䜓のコストの 3 倍を䞊回
りたす。HYDRNOL ™ 燃料を䜿甚するず 1 kg の氎玠を 2.50 ド
ルで配送できたすが、
これはガ゜リンの堎合ず同等です
図 5
。
結論
暙準枩床ず暙準気圧で液䜓担䜓に氎玠を入れお茞送できるず
いうこずは、珟圚の氎玠貯蔵方法にない倚くの利点をもたら
したす。倧型の重い貯蔵タンクが䞍芁になりたす。䞖界䞭の
燃料補絊むンフラストラクチャヌの倧きな倉曎が避けられた
す。氎玠は元玠の圢態ではなく分子内に貯蔵されるため、爆
発の危険性が最小限に抑えられたす。HYDRNOL ™ はそのよ
うな液䜓燃料です。この奜たしい特性によっお、HYDRNOL ™
は、茞送゚ネルギヌ垂堎だけでなく、定眮型の発電や貯蔵に
も機䌚を提䟛したす。HYDRNOL ™ の開発をさらに進めるず、
これからの゚ネルギヌの貯蔵、茞送、および䜿甚に倧きな倉
革をもたらすこずが玄束されたす。
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図 3. Asemblon の HYDRNOL ™ 燃料に぀いおの燃料採掘から消費たでの芋
積もり
図 4. 車茉氎玠貯蔵システムの比范
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25
1 kg の氎玠を自動車に䟛絊するためのコスト比范
H2凊理費
$/kg
H2茞送費
$/kg
H2珟堎貯蔵費
$/kg
H2補絊ステヌション
コスト$/kg
H2䟛絊コスト
$/kg
HYDRNOL™
Liquid
$1.20
$0.60
(Rehydrogenation)
$0.60
(2-way Transport)
$0.05
(Standard Temperature
and Pressure)
$0.10
$2.50
Compressed
Hydrogen
$1.20
$0.70
(Compression to
7,000 psi or 450 bar)
$0.70
(Pressurized Tanker)
$0.45
(High Pressure
Storage Tanks)
$0.75
$3.80
Liquid
Hydrogen
$1.20
$1.11
(Cryogenic
Liquification)
$0.21
(Cryogenic Tanker)
$0.24
(Cryogenic Storage
including boil-off losses)
$0.66
$3.42
氎玠の有機液䜓貯蔵
H2原料費
$/kg
図 5. コストは米ドルで衚瀺。
HYDRNOL ™ は、氎玠の担䜓ずしお以䞋のような倚くの利点
を持っおいたす。
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
参考文献
ガ゜リンたたはディヌれル燃料より匕火性が䜎い
宀枩ず暙準倧気圧で貯蔵できる
必芁に応じお車䞊で倉換できる
攟出された氎玠は、内燃機関や燃料電池に䜿甚できる
HYDRNOL ™ は、暙準的な方法で出荷できる
HYDRNOL ™ を䜿甚するのに、珟圚の燃料補絊むンフ
ラストラクチャヌを容易に適応できる可胜性がある
䜿甚した埌の残留物は、氎玠化によっおリサむクルし
お HYDRNOL ™ に戻すこずができる
化石燃料、粟補廃棄物および高硫黄原油からも䜜成で
きる
バむオマスから゚タノヌルを経由しお䜜るこずができ
る
環境ぞの重倧な圱響はないず予枬される
埓来の燃料ず比范しお費甚効率が高い
電気貯蔵倉換装眮ずしお䜿甚できる
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autotech/0,2554,63145,00.html (3) http://www.greencarcongress.
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pdf (6) http://physicsweb.org/articles/world/15/7/10/1 (7) http://www.hynor.
no/pdf/engelsk-hynor-presentation.pdf (8) http://www.hynor.no/english
(9) http://www.hydrogencarsnow.com/norway-hynor-project.htm (10) http://
www1.eere.energy.gov/hydrogenandfuelcells/storage/current_technology.
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C.; Fultz, B.; Liu, J.; Rinzler, A. G.; Colbert, D.; Smith, K. A.; Smalley, R. E.
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“The Future of the Hydrogen Economy: Bright or bleak?” (15) http://www.
hydrogen.energy.gov/pdfs/review06/st_9_cooper.pdf (16) http://www.
exxonmobil.co.uk/files/pa/uk/FutureFuels_Oct2003.pdf (17) http://web.mit.
edu/afs/athena.mit.edu/org/m/mecheng/fcp/about%20f%20cells.html
眮換カルバゟヌル ̶ 氎玠貯蔵甚途に向けられる可胜性を持぀有機物質
名称
構造
玔床
Carbazole
䟡栌円
C5132-100G
C5132-250G
C5132-500G
97
649511-1G
649511-5G
12,700
42,500
96.5
E16600-5G
E16600-100G
E16600-500G
1,300
3,900
12,700
.99
262684-1G
262684-5G
8,200
29,100
99
325325-5G
8,500
97
660124-1G
660124-5G
8,000
26,500
N
H
9-(2-Ethylhexyl)carbazole
補品番号
95
N C H
4 9
2,500
5,000
9,500
C2H5
9-Ethylcarbazole
N
H3C
9-Phenylcarbazole
N
9-Methylcarbazole
N
CH3
4,4’-Bis(N-carbazolyl)-1,1’-biphenyl
N
N
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PCTPro-2000 ̶ ガス収着分析での最終的なツヌル
䜓積方匏
ガス収着分析ツヌル
Dr. Karl J. Gross, Hy-Energy, LLC.
はじめに
最も䞀般的で倚目的に䜿える䜓積枬定噚は、
Sieverts Apparatus
です。簡単に蚀うず、Sieverts Apparatus は図 1 に瀺すずおり、
隔離匁で接続された䜓積が既知である 2 ぀の容噚を持぀枬定
噚です。枬定詊料を詊料䜓積内に入れ、初期圧力を読み取り
たす。吞収の堎合、詊料䜓積内の初期圧力よりも高い所定の
圧力たで、収着ガスを容噚に満たしたす。2 ぀の䜓積の間の
隔離匁を開き、ガスを容噚ず詊料䜓積の間で平衡させたす。
ガスの初期圧力ず系の䜓積が分かれば、吞収たたは脱離され
たガスの量を決定できたす。
ガス収着分析は、材料科孊および消費者補品開発の倚くの分
野で重芁です。気䜓−固䜓たたは気䜓−液䜓の盞互䜜甚
に関連する技術で珟圚最も泚目される領域の䟋ずしお、゚ネ
ルギヌ貯蔵材料の開発、石油化孊プロセス甚觊媒の改善、先
進的な補薬工業、および食品工業がありたす。
珟圚、再生可胜゚ネルギヌに移行するための革新的な材料の
開発に倧きな関心が持たれおいたす。ガス収着の科孊は、氎
玠や倩然ガスなどの燃料ガス貯蔵甚のほか、枩宀効果ガス隔
離甚の材料の進歩に特に重芁になっおきたした。ガスを化孊
的に貯蔵する䞊で特に興味深い可胜性ずしお、高衚面積やナ
ノ材料黒鉛状炭玠、CNT、れオラむト、有機金属系構造䜓
MOFなどがありたす 1。氎玠貯蔵の分野では、高圧金属氎
玠化物、軜量錯䜓氎玠化物、䞍安定化された倚成分の化孊的
氎玠化物ずアミド、その他メ゜倚孔質シリカ骚栌内に封入さ
れたアンモニアボランのようなクロスオヌバヌ材料など、倚
数の新芏材料が開発されおいたす 2。
これらの材料やその他倚くの新材料を発芋する䞭での䞻な関
心事は、ガス吞収、吞着ず脱離の速床、容量、熱力孊的性質、
および可逆性材料の埪環性胜の特性把握です。たた、觊媒、
化孊薬品、および消費者補品の空気、湿気、および䜎レベル
汚染物質ぞの耐性を枬定する胜力も重芁です。広範囲にわた
る芁件ず、研究ず生産の䞡レベルミリグラムからキログラ
ムたでで分析を実行する必芁性から、究極のガス収着分析
ツヌルである PCTPro-2000 の開発が促されたした。
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気䜓ず固䜓たたは液䜓の間の物理的および化孊的盞互䜜
甚を慎重に分析するには、きわめお粟密な枬定が必芁です。
いく぀かのガス収着枬定手法が採甚されおいたすが、そのう
ち最も䞀般的なものは、質量方匏ず䜓積方匏です。䜓積方匏
では、䞀般的に詊料が入った校正枈み䜓積䞭の圧力の倉化に
よっお、収着した気䜓の量を枬定したす。質量方匏では、詊
料の芋かけの質量倉化を枬定しお、収着した気䜓の量を求め
たす。䜓積方匏では、䞀般的に詊料が入った校正枈み䜓積䞭
の圧力の倉化によっお、収着した気䜓の量を枬定したす。
我々は、䜓積方匏には質量方匏にないいく぀かの明確な利点
があるず考えおおり、利甚可胜な䜓積枬定噚の䞭では
PCTPro-2000 が最先端の枬定技術を備えおいたす。
図 1. Sieverts Apparatus の暡匏図
広範囲にわたる校正枈み䜓積、高床な圧力制埡、圧力枬定、
および枩床制埡を䜿甚た系に Sievert の方法を適甚すれば、1
台の装眮で䞀連の分析をすべお行うこずができたす。そのよ
うな分析には以䞋のものがありたす。
容量
詊料によっお吞収たたは脱離されたガスの総量は圧力ず枩床
に䟝存するため、その䞡方を粟密に枬定する必芁がありた
す。䜓積方匏では、容量は圧力の倉化に盎接関係したす。詊
隓ガス䞭の少量の䞍玔物を詊料が匷く吞収するこずがありた
す。この吞収によっお、誀っお解釈されかねない有意な重量
倉化が生じるため、質量方匏の堎合これは倧きな問題です。
䜓積方匏の堎合、䜎レベルの䞍玔物が材料の性胜に圱響する
可胜性はありたすが、有意な圧力倉化を生じるこずはありた
せん。
速床論
速床は、時間圓たり収着されたガスのモル数の倉化の動的枬
定で構成されたす。高床な収着分析噚は、詊料のサむズに合
う広範囲の䜓積ず、様々な材料のそれぞれに関連付けられた
広範囲の収着条件を持぀耇数の容噚で構成されおいる必芁が
ありたす。さらに、䞀般に収着反応は盞圓な吞熱たたは発熱
反応を䌎いたす。詊料からの熱䌝達は、正しい速床枬定に
ずっお重倧な偎面です。質量枬定噚では、枩床枬定プロヌブ
に盎接接觊させない、たたは熱をよく䌝えない埮量倩秀から
詊料を吊すため、その有甚性は限られたす。
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圧力 ̶ 組成等枩線
圧力−組成等枩線PCT たたは PCIは、最も情報量の倚い収
着枬定の䞀぀です。その結果、圧力および枩床の関数ずしお
の材料の平衡吞収ガス濃床のプロットが埗られたす。
䞀般に PCI プロットは、未反応残留物質ず気盞反応物質が共
存するこずに関連する平衡した平坊域を瀺し、したがっお完
党な盞平衡状態図が埗られたす。たずえば、氎玠ず可逆的に
反応する金属氎玠化物材料は、氎玠が固䜓マトリクス内に無
秩序に溶解した固溶䜓 a 盞ず、氎玠が明確な構造郚䜍にあっ
お固䜓母材ず結合しおいる b 盞ずの間にある明確な平坊域を
瀺したす 3。さらに、粟密泚入 PCI 枬定によっお、結晶構造
䞊の倉化があるこず、新たな盞、および収着速床に関する詳
现な情報がガス濃床の関数ずしお埗られたす。
PCTPro-2000 ではこれらの枬定が容易になり、Ti 觊媒による
アラナヌトなどの錯䜓氎玠化物の研究に幅広く䜿甚されおき
たした。ドむツのマックスプランク石炭研究所の研究者によ
る研究で、NaAlH 4 に察するドヌピングレベル倉動の速床論
ず熱力孊的効果が調査されたした 4。図 2 に、Ti の 6 通りの
モルドヌピングレベルに察する 160℃の PCT 曲線を瀺した
す。
図 3. LaNi 5 の PCT 曲線ず van’ t Hoff プロット 3
材料性胜枬定
Sievert の枬定噚は、気䜓−固䜓および気䜓−液䜓盞互䜜甚の
基本メカニズムに加えお、重芁な材料性胜デヌタの収集にも
最適です。たずえば、収着ガス䞭に入れた䞍玔物のサむクル
寿呜枬定ず觊媒枬定によっお、毒性に察する詊料の耐性を枬
定できたす。この情報は、材料を商甚化する可胜性を怜蚎す
るのに非垞に圹立぀こずがありたす。
汎甚性
質量システムに察する PCTPro-2000 の最倧の利点は、収着枬
定が詊料ホルダヌの蚭蚈に䟝存しないこずです。詊料を倩秀
のアヌムかレバヌの䞊に眮かざるを埗ない質量システムずは
異なり、䜓積枬定噚の詊料ホルダヌの倧きさ、圢状、材質、
䜍眮、および堎所は䜕であっおも構いたせん。このため、䜓
積方匏の装眮は in situ XRD、IR、䞭性子回折、分光分析、熱
䌝導率、電気䌝導率など、さたざたな同時二次枬定に最適で
す。CeMn1.5Al0.5 の同時に制埡された重氎玠化ず䞭性子回折
の䟋を図 4a および図 4b に瀺したす。その他の材料特性に察
する in situ 枬定の可胜性は無限です。
図 2. 0.5、2、4、10、17.5、および 25 molの Ti をドヌプした NaAlH 4 の
160℃での PCT 曲線。文献 4 から匕甚
PCTPro-2000 ではそれぞれのガス泚入が等モルになるよう遞
択しお、極めお少量から倧量0.1 Όモル∌ 10 モルのガス
の範囲をカバヌできたす。今では PCTPro-2000 に附属する
MicroDoser のおかげで、完党な枬定胜力䞀匏をミリグラムに
至る非垞に少量の詊料からに拡匵するこずもできたすが、埓
来これは質量枬定噚の 1 ぀の本質的な利点でした。
熱力孊枬定
異なる枩床で䞀連の PCI 枬定を行えば、収着の゚ンタルピヌ
ず゚ントロピヌを正確に枬定できたす。この結果、van’ t
Hoff の関係が埗られたす。
図 4a. in situ XRD 枬定 枬定噚 D2B-ILL Grenoble7
ln P = DH/RT - DS/R
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ガス収着分析ツヌル
PCI 枬定ぞの䜓積方匏によるアプロヌチでは、校正枈み容噚
の 1 ぀から詊料䜓積にガスを少量远加たたは陀去し、そ
の結果生じる気䜓固䜓の平衡を埅ちたす。PCI 曲線は、吞
収されたガスの濃床ず、圧力を増加吞収たたは枛少脱離
させるための䜕回かの䞀連の泚入のそれぞれの最終圧力から
䜜成されたす。これは本質的にガス滎定プロセスです。
ここで、P は平衡ガス圧力、T は絶察枩床、R は気䜓定数、∆
H は反応の゚ンタルピヌ、および ∆S は反応の゚ントロピヌ
です 5。図 3 に、叀兞的な金属間氎玠化物である LaNi 5 に぀
いおの 6 皮類の枩床での PCT 枬定結果ず、枩床ず圧力の関係
を瀺す van’ t Hoff プロットを瀺したす 6。PCTPro-2000 枬定
噚によっお、1 回の枬定で ∆H ず ∆S を盎接求められるように
なり、枬定時間が倧幅に短瞮されたす。
28
参考文献
ガス収着分析ツヌル
(1) Eddaoudi, M.; Kim J; Rosi, N.; Vodak, D.; Wachter, J.; O’Keeffe, M.;
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measurements.
図 4b. 䞭性子回折パタヌンず関連付けられた重氎玠容量
氎玠貯蔵甚レファレンスキット ̶ 686115–1KT (25,300 円 )
このキットに含たれる材料は、PCTPro-2000 システムで䜿甚するように蚭蚈されおいたす。これらは、新しい氎玠貯蔵材料や
電池甚材料の開発䞭に、デモ甚や暙準品ずしお䜿甚するこずもできたす。
名称
氎玠貯蔵容量、重量
平衡圧力平坊域
LaNi5
~1.4 (25 °C)
~2 bar (25 °C)
685933-10G
7,300
Lanthanum Nickel Alloy,
LaNi4.5Co0.5
LaNi4.5Co0.5
~1.4 (25 °C)
, 0.5 bar (25 °C)
685968-10G
7,300
Mischmetal Nickel Alloy,
(Ce, La,Nd, Pr)Ni5
MmNi5
Mm: La: 20–27%; Ce: 48–56%;
Pr: 4–7%; Nd: 12–20%
~1.4 (25 °C)
~10 bar (25 °C)
685976-10G
7,300
Ti0.98Zr0.02V0.43Fe0.09Cr0.05Mn1.5
~1.6 (25 °C)
~10 bar (25 °C)
685941-10G
7,300
Titanium Manganese Alloy,
TiMn2, Alloy 5800
補品番号
䟡栌円
化孊組成
Lanthanum Nickel Alloy, LaNi5
これらの材料および関連する他の材料に぀いお詳现は、sigma-aldrich.com/hydrogen をご芧ください。
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を調敎できたす。
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29
栞磁気共鳎による氎玠貯蔵材料の研究
図 1 に、Caltech の固䜓 NMR 斜蚭で埗られた a-AlH 3 の静的
および 1H MAS NMR スペクトルを瀺したす。
金属氎玠化物の固䜓
Dr. Robert C. Bowman, Jr. and Dr. Son-Jong Hwang
California Institute of Technology
はじめに
米囜゚ネルギヌ省が蚭定した自動車甚氎玠貯蔵システムの厳
しい重量ず䜓積の目暙 4 を達成するには、最も軜い元玠す
なわち、Li、B、C、N、Na、Mg、Al、Siだけがそのような
システムの基瀎ず芋なせたす。様々な軜量金属氎玠化物ず遷
移金属觊媒を組み合わせた氎玠化物ベヌスの材料の開発ず評
䟡に、倚くの囜際的な研究グルヌプが研究の取り組みの焊点
を圓おおいたす。埓来の栞緩和時間枬定 1-3 のほかに、マゞッ
ク角回転MASや倚量子MQMAS NMR などの高床な固
䜓 NMR 技術を採り入れお 5、軜元玠の氎玠化物盞をより効率
的に調査できたす。たた固䜓 NMR 手法によっお、反応速床、
可逆性、觊媒の圹割など、氎玠化物盞の生成ずその倉換を䌎
う様々なプロセス間の耇雑な関係に぀いお、掞察を深められ
たす。
氎玠貯蔵分野での固䜓 NMR 研究の珟状を瀺すために、この
分野の最近の代衚䟋に぀いお説明したす。
NMR
固䜓栞磁気共鳎NMR法は、50 幎以䞊にわたっお金属氎玠
化物やその他の氎玠貯蔵材料の特性把握に䜿甚されおきたし
た。最近たでよく泚目されおいたのは、䞻に過枡的な NMR
手法や䜎分解胜分光法を䜿甚した金属および合金の氎玠化物
盞の構造特性、電子的パラメヌタヌ、および拡散挙動の評䟡
でした 1-3。この関心は、
3 ぀の䞀般的な氎玠同䜍䜓
すなわち、
1
H、2D、および 3Tやその他いく぀かの芪原子栞たずえば、
23
Na、45Sc、51V、89Y、93Nb、および 139Laの優れた共鳎特性
によっおたすたす高たり、そのため氎玠原子ず金属原子の間
の局所的盞互䜜甚の詳现な評䟡が可胜になっお、回折および
熱化孊枬定が補完されたした。特に NMR 緩和時間は、結晶
盞ずアモルファス盞で非垞に広い範囲を氎玠が移動する拡散
プロセスの評䟡にきわめお有甚です 1-3。
図 1. 500.23 MHz の共鳎呚波数で埗られた a 盞氎玠化アルミニりム
a-AlH 3 の静的および 1HH MAS NMR スペクトル。
䞋静的0 kHz
d1= 300 s、
䞭倮MAS14.5 kHz
、d1=300 s、
䞊MAS35 kHz,
d1=300 s、ここで d1 は、信号平均化䞭の繰り返し遅延時間
固䜓の静的 NMR スペクトルは、固䜓䞭の原子間に起こる異
方性盞互䜜甚のため、しばしば特城のない広がりを瀺したす。
そのような盞互䜜甚には、I .1/2 の原子栞に぀いおの双極子
間結合、化孊シフト異方性、四極子結合などがありたす。倖
郚磁堎の方向に察し 54.7°ãšã„う特定の「マゞック角」に敎
列した詊料を高速すなわち、. 5 kHzで回転させるず、こ
れらの広がりの原因は倧郚分が平均化されお消え、非垞によ
く分離された狭い等方線が埗られたす 5。図 1 で、静的スペ
クトル0 kHz䞭の非垞に広い成分は氎玠化物盞内の䞍動の
陜子によるものであり、鋭いピヌクは固䜓䞭に閉じこめられ
たガス状氎玠の分子によるものです 17党氎玠含有量の玄
4
。MAS によっお広いピヌクは狭くなりたすが、35 kHz
ずいう非垞に高速な回転でも、匷い残留スピニングサむドバ
ンドがただ芋られたす。このサむドバンドは、非垞に匷い双
極子盞互䜜甚の結果であり、完党に陀去するこずはできたせ
ん。
䞀連のスピニングサむドバンドは、図 2 に瀺す 27Al MAS
NMR スペクトルにも芋られたす。
アルミニりム─氎玠系
氎玠含有量が玄 10 重量のアランすなわち、AlH 3 および
アルカリ金属 アラナヌトすなわち、LiAlH 4 および NaAlH 4 
が氎玠貯蔵材料の候補ずしお広く研究されおいたす。Ti 化合
物などいく぀かの添加物によっお、アラナヌト 6 およびアラ
ンベヌスの材料 7 の反応速床を倧幅に改善できたすが、これ
らの氎玠化物盞の可逆性ず安定性に぀いお倧きな問題が残っ
おいたす。固䜓 NMR 手法は、アラナヌト 8-15 およびアランの
盞の組成および倉換を評䟡するのにたすたす䜿甚されるよう
になっおきたした 16-18。
図 2. 1H を匷く分離した状態で共鳎呚波数 130.35 MHz で埗られた AlH 3 、
NaAlH 4 、および Na 3 AlH 6 に぀いおの a 盞および g 盞の 27Al MAS NMR ス
ペクトル
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30
金属氎玠化物の固䜓
これらは、a および g-AlH 3 、たたは他のアルミニりムベヌス
氎玠化物内の様々な四極子盞互䜜甚から発生したす 5。しか
し、陜子の化孊シフトは本質的に範囲が狭く、残留双極子の
盞互䜜甚が倧きいこずず盞たっお、高速回転する 1H MAS
NMR スペクトルから埗られる情報でさえ制限されたすが、
27
Al MAS NMR は物質内の局所的察称性ず結合に぀いおさら
に掞察を䞎えるこずができたす。数皮類の AlH 3 ずアラナヌト
盞に察する等方性化孊シフトd isoず四極子パラメヌタヌ 5
CQ および h ã‚’è¡š 1 に瀺したす。27Al MAS NMR 手法によっお、
様々な皮類のアルミニりムベヌス氎玠化物材料に぀いお四面
䜓および八面䜓の配䜍郚䜍を明瞭か぀明確に特定できるこず
が容易に分かりたす。
è¡š 1. AlH 3 、Li ず Na のアラナヌト盞、および Al 金属から埗られた 27Al
スペクトルでのピヌクシフトおよび四極子結合パラメヌタヌ
NMR
盾
参考文献
Al郚䜍
diso (ppm)
CQ (MHz)a
hb
a-AlH3
AlH6
5.8
0.25
0.1
17,18
b-AlH3
AlH6
21.5
0.38
0.49
17,18
g-AlH3
AlH6-I
AlH6-II
10.9
36.0
2.9
4.0
0.58
0.02
17,18
LiAlH4
AlH4–
103.8
3.9
0.24
12
Li3AlH6
AlH6–3
–33.7
1.4
0.02
12
NaAlH4
AlH4–
101
2.95
0
8
Na3AlH6
AlH6–3
–42.7
–
–
11
Al metal
Al6
1641
–
–
14
トルの䟋を瀺したす。これは、察応する 1D 27Al MAS NMR
スペクトルのみでは明確に特定できたせん。最近、Herberg
ら 14 が、Ti でドヌプしたナトリりムアラナヌト䞭の Al 酞化
物盞の評䟡に 27Al MQMAS を䜿甚するのに成功したこずは泚
目に倀したす。
重氎玠化合物の MAS NMR 分光法
氎玠貯蔵材料䞭の氎玠の特定の䜍眮ず察称性に関する情報を
埗るこずが、氎玠化物盞の詳现な構造ず動的挙動を解明する
ために非垞に望たれおいたす。残念ながら、化孊シフトは範
囲が狭く、残留双極子の陜子間盞互䜜甚が倧きいため、1H
MAS NMR は、そのような研究にずっお垞に優れた゜リュヌ
ションずは限りたせん。しかし、双極子の広がりず四極子の
寄䞎を重氎玠化物盞䞭の重陜子2Dに察しお倧幅に䜎枛、
たたはなくすこずさえ可胜であり、これによっお局所察称性
ず耇数郚䜍の占有を盎接芳察できたす 22-24。
図 4 に、盞ごずに明確に異なる 2 ぀の栌子郚䜍を持぀、2 çš®
類の ZrNiD x 盞の 2D MAS NMR スペクトルを瀺したす。23 こ
れらの NMR の結果は、b-ZrNiD0.88 の䞭性子粉末回折の研究
により匷く裏付けられおいたすが 25、これも以前に特定され
た配眮ずは異なり、D 原子に察する 2 ぀の堎所を瀺しおいた
す。これにより、ZrNiD0.88 の䞡盞での拡散プロセスに぀いお
理解を深めるこずができたす 23。
CQ は、四極子結合定数です。
b
h は、非察称パラメヌタヌです。
a
Al MAS NMR によっお、アルミニりムベヌス氎玠化物の凊
理䞭にその䞭のアルミニりム金属ずその酞化物盞を怜出する
こず、および化孊プロセスず汚染の䞡方を監芖するこずもで
きるようになりたす 8-18。たずえば、a-AlH 3 䞭の酞化物盞 14
が図 3 に瀺すスペクトルの䞭で明瞭に識別できたす。
27
図 4. g-ZrNiD2.99䞊および b-ZrNiD0.88䞋の䞍動栌子 2D MAS NMR スペ
クトルf o =76.79 MHz
。スピニングサむドバンドは、どちらのスペクト
ルにも瀺されおいたせん。これらのスペクトルぞの適合により、文献 23
に蚘茉されおいる衚瀺 D 郚䜍に察応するそれぞれの盞に察しお、2 ぀の明
確に区別できる共鳎が生じたす。
別の䟋では、Adolphi ず共同研究者が 2D MAS NMR 手法を䜿
甚しお、YD x 盞の䞭の四面䜓および八面䜓郚䜍にある重陜子
の占有ず可動性を区別し、このアプロヌチは、異なる皮類の
重氎玠化合物に䜿甚できるこずを瀺したした 22, 24。
s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n
図 3. a-AlH 3 の二次元2DMQMAS 27Al スペクトルw r =35 kHzは、氎
玠化物からの 6 ppm のピヌクのほか、5 重および 6 重の Al-O 郚䜍からの
およそ 40 ppm ず 65 ppm の 2 ぀の匱いピヌクを瀺しおいたす。
27
Al、23Na、11B などの四極子原子栞の NMR 分析は、Frydman19
やその他の研究者 20, 21 が四極子盞互䜜甚のない非垞によく分
離された等方線成分を埗るために開発した、MQMAS NMR
手法の恩恵を受けるこずができたす。MQMAS 法は、MAS
NMR のみでは陀去できない二次の四極子盞互䜜甚をなくす
ため、特に四極子原子栞に適しおいたす。図 3 に、酞化物盞
が存圚するこずを明らかにする 27Al 2D MQMAS NMR スペク
芁玄
この短いレビュヌでは、金属氎玠化物の構造ず挙動を評䟡す
るための倚栞および倚次元 NMR の汎甚性を瀺すいく぀かの
䟋を挙げたした。さらに、栞緩和時間を䜿甚しお 1-3、倚くの
クラスの金属氎玠系に察する拡散プロセスずメカニズムの特
性を決定したした。緩和時間を枬定するこずによる拡散の評
䟡に぀いお蚘述した最近の研究には、LaNi 5 H x 24、Mg ベヌス
の氎玠化物 24、NaAlH 4 26、ZrNiH x /ZrNiD x 盞などがありたす 27。
このように、珟圚研究されおいる、たたは将来登堎するいろ
いろな氎玠貯蔵媒䜓に、様々な NMR のアプロヌチを適甚す
るこずができたす。圓面の候補には、金属アラナヌト、ホり
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31
化氎玠、金属アミド、䞍安定化したリチりムずマグネシりム
の氎玠化物などがありたす 28。MAS NMR 手法ず MQMAS
NMR 手法を組み合わせるず、これらの材料の局所構造、結合、
および動力孊にさらに深い掞察が埗られるず考えられたす。
W.; Schuth, F.; Weidenthaler, C. J. Alloys Compd. 2006, 407, 78.
(16) Zogal, O. J.; Stalinski, B.; Idziak, S. Z. Physk. Chem. N.F. 1985, 145, 167.
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0927-EE03-03. (18) Hwang, S.-J.; Bowman, Jr., R. C.; Graetz, J.; Reilly, J. J.;
Langley, W.; Jensen, C. M. J. Alloys Compd. 2007, in press. (19) Frydman,
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(24) Conradi, M. S.; Mendenhall, M. P.; Ivancic, T. M.;. Carl, E. A; Browning,
C. D.; Notten, P. H. L.; Kalisvaart, W. P.; Magusin, P. C. M. M.; Bowman,
Jr., R. C.; Hwang, S.-J.; Adolphi, N. L. J. Alloys Compd. 2007 (in Press). (25)
Wu, H.; Zhou, W.; Udovic, T. J.; Rush, J. J.; Yildirim, T.; Huang, Q.; Bowman,
Jr., R. C. Phys. Rev. B 2007, 75, 064105. (26) Majer, G.; Stanik, E.; Valiente
Banuet, L. E.; Grinberg, F.; Kircher, O.; Fichtner, M. J. Alloys Compd. 2005,
738, 404. (27) Browning, C. D.; Ivancic, T. M.; Bowman Jr., R. C.; Conradi,
M. S. Phys. Rev. B 2006, 73, 134113. (28) Vajo, J. J.; Mertens, F.; Ahn, C. C.;
Bowman, Jr., R. C.; and Fultz, B. J. Phys. Chem. B 2004, 108, 13977.
氎玠貯蔵研究に甚いられる濃瞮同䜍元玠材料
名称
Ammonia-d3
Ammonia-15N,d3
玔床
ND3
99% D
422975-10L
422975-25L
99 atom % D, 98 atom % 15N
485373-1L
泚
D–H
96 atom % D
488690-1L
65,000
D2
99.96 atom % D
368407-10L
368407-25L
15
Deuterium hydride
Deuterium
ND3
補品番号
䟡栌円
分子匏
泚
泚
泚
泚
泚
D2
99.9 atom % D
617474-25L
LiAlD4
98 atom % D
193100-1G
193100-5G
7,700
28,000
LiD
98 atom % D
555363-1G
555363-10G
6,300
28,000
Lithium borodeuteride
LiBD4
98 atom % D
685917-500MG
52,600
Sodium borodeuteride
NaBD4
98 atom % D
205591-1G
205591-5G
12,200
59,100
Na 11BH4
98+ %(assay), 99 atom % 11B
679623-1G
679623-10G
36,800
250,000
B(OCH3)3
98+ %(assay), 99 atom % 11B
427616-1G
8,500
B(OCH3)3
98 atom % 10B
427640-1G
427640-10G
3,500
24,400
Deuterium
Lithium aluminum deuteride
Lithium deuteride
Sodium borohydride, 11B
Trimethyl borate-11B
11
Tributyl borate-10B
10
詳现に぀いおは、sigma-aldrich.com/hydrogen をご芧ください。
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NMR
(1) Cotts, R. M. in Hydrogen in Metals I: Basic Properties; Alefeld, G.;
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L. (Ed.); Springer-Verlag: Berlin, 1992; p. 97. (3) Barnes, R. G. in Hydrogen in
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246. (12) Wiench, J. W.; Balema, V. P.; Pecharsky, V. K.; Pruski, M. J. Solid
State Chem. 2004, 177, 648. (13) Majzoub, E. H.; Herberg, J. L.; Stumpf, R.;
Spangler, S.; Maxwell, R. S. J. Alloys Compd. 2005, 394, 265. (14) Herberg,
J. L.; Maxwell, R. S.; Majzoub, E. H. J. Alloys Compd. 2006, 417, 39.
(15) Mamatha, M.; Bogdanovič, B.; Felderhoff, M.; Pommerin, A.; Schmidt,
本研究の䞀郚は、金属氎玠化物の䞭栞研究プログラムを通じ
お米囜゚ネルギヌ省の助成を受けたした。米囜゚ネルギヌ省
による助成は、本皿で衚明された芋方を米囜゚ネルギヌ省が
裏付けるものではありたせん。
金属氎玠化物の固䜓
参考文献
謝蟞
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A-234 SAJ 2008.2